浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J17_0641A01: | 辭せる詞もなくこふに任せ玉ひぬればやがて剃刀を |
J17_0641A02: | 用ひ頭髮をのそき面部にいたり鼻下人中の髭鬚を剃 |
J17_0641A03: | 除せんとするに稱名のやまざれは剃かたくしはし御 |
J17_0641A04: | 念佛をやめ給へともふしけれは言にはうけがひ玉ひ |
J17_0641A05: | ながら猶稱名口業の御口びるたへすうごきければ是 |
J17_0641A06: | 非なく心を用ひて剃刀を下しぬあやまちてさはりけ |
J17_0641A07: | るにや御唇より血のながれしを拭ひとりて御そりか |
J17_0641A08: | みに包み檐端の屋根うらにさし入れ置ぬ年經て上人 |
J17_0641A09: | 滅後にいたり庵りの茅など取かへぬる折しも見出し |
J17_0641A10: | ひらき見るに御剃髮半ば舍利と成ける添置ぬる反古 |
J17_0641A11: | を見るに上人在世に關東某の門人より寄せ來りし |
J17_0641A12: | 文にして取あへす包み置しと見えたりそれよりつく |
J17_0641A13: | つくこしかたの事を思ひ合けるに一時かくありし事 |
J17_0641A14: | 思ひ出てまかふ事あらされは則寶塔におさめ道俗打 |
J17_0641A15: | 集りて尊みあへり。 |
J17_0641A16: | ○御意ニ肯ヒ玉ヒナカラト者ツラツラ舊記ノ面チ見ルニ御意ニ肯ヒ經意ノ念ニ住シナガラ年頃無間ニ勤メ玉フ口唱ノクセツカセ給フ行狀見ルタビゴトニイトタワトシ○剃髮舍利トハ中古天災アリ |
J17_0641B17: | シコロ灰燼ノ中ニカクレサセ玉フテ今ハナシ當山寶藏ノ剃髮ノ舍利トハ同ジカラス。 |
J17_0641B18: | 大覺寺御門跡問答往復の事 |
J17_0641B19: | 同記云嵯峨大覺寺御門跡准后宮義俊尊者は上人の德 |
J17_0641B20: | を景慕し玉ひしばしば專稱庵に入御ありて念佛の要 |
J17_0641B21: | 義を御尋ありしに上人答へ給ひけるは夫彌陀の本願 |
J17_0641B22: | は因位法藏比丘のむかし世自在王如來の所にをいて |
J17_0641B23: | 六八の願を建給ふ中の第十八念佛往生の願に十方の |
J17_0641B24: | 衆生至心に信樂し我國に生せんと欲し乃至十念せん |
J17_0641B25: | に若生せずんは正覺を取らしと誓ひ給ひ五劫を具足 |
J17_0641B26: | し思惟攝取し玉ふ無上殊勝の本願すでに成就し玉ひ |
J17_0641B27: | 一一の誓願むなしからず故に終南の善導云く彼佛今 |
J17_0641B28: | 現に世に在して成佛し給へり當にしるへし本誓の重 |
J17_0641B29: | 願むなしからす衆生穪念すれは必ず往生を得ると釋 |
J17_0641B30: | せられし當今すてに西刹の安養にましまして善惡智 |
J17_0641B31: | 愚をえらはす一念十念の功德によりて得生せりとく |
J17_0641B32: | はしく雙觀經の意をのべられければさすか法王の御 |
J17_0641B33: | 身はやく御領納あり重て宣給ふやう罪業は石のことく |