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J2530 称念上人行状記 妙阿 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0639A01: の池にいたり時を移して勵聲念佛し玉ふに一道の光
J17_0639A02: 明池面を照して旭のことくかかやけり爾しよりこのか
J17_0639A03: た魚は絶てなし嗚呼面りこれを見る輩は名號の功德
J17_0639A04: 上人の得業世こそりてとうとまざるはなかりきかか
J17_0639A05: る奇事ある池なれば此池の南に念佛道塲を一宇草創
J17_0639A06: して專稱庵とそ申ける上人ここに住したまひ化導ま
J17_0639A07: すます盛にして或は難産の救護を請ものあれはたた
J17_0639A08: 他事なく念佛し敎て名號を稱せしむれは忽ち泰産の
J17_0639A09: 益を蒙り或は怨靈の障礙にくるしむものありと告來
J17_0639A10: れは一家類族あつまり念佛せよとおしへ玉ひみつか
J17_0639A11: ら念佛の一行を勤め玉ふにたたちにくるしみをまぬ
J17_0639A12: かれぬかかる不思議の威力親り是を見聞し侍れはま
J17_0639A13: すます崇敬し奉れとも自御詞にも出し玉はされは餘
J17_0639A14: 所にしる人すくなし。
J17_0639A15: ○モロコノ池トハ專稱庵ノ北二町バカリニアリ二百餘年ヲ經ヌレバイツトナク埋レテ今ハワヅカニ東西四五尺南北六七尺計其形ノミ殘リケル○執獅子國ハ天竺ノ東南三千餘里ノ外ニ在ル島ナリ天竺ニテハ僧伽羅國トイフ委ハ西域記等ニ見エタリ○阿彌陀魚ト者
J17_0639B16: 執獅子國ノ西南ノ島ニシテ昔ハ人居五百餘戸アレトモ佛法ワタラザレハ因果モシラズ唯タ魚ヲ食トス然ルニ大ナル魚ウカヒ出テ人ノモノイフ如ク南無阿彌陀佛ノ御名ヲ唱フ是レニヨリテ人阿彌陀魚ト呼ビケル漁リスルモノ同名號ヲ唱フレバ近クヨリテ捕ルニ得ヤスク唱ヘザレバ遠ク去ル又取得テ是ヲ食スルニ名號ノカズヲ唱フレバ肉味美ナリ唱ヘザレハ味イ苦フシテ食シガタシ是ノ故ニ衆人力ヲキハメテ念佛ス其初メニ是ヲトリコレヲ食セシ翁報命ツキテ終リ三月ノ後紫雲ニ乘シテ來リ島人ニ告テ曰ク西方淨土ノ敎主阿彌陀如來我ラカ三寶ノ御名モ知ラズ惡業ノツモリヌルヲアハレミ玉ヒ阿彌陀魚トナリテ名號ヲススメ給フ若シ疑ヒアラバ其魚骨ヲ見ルベシ究メテ皆蓮華ナラント驚キ是ヲ見ルニ果シテ蓮華ナリシカバ靈告ヲタウトミ殺生ノ過ヲ悔テ漁ヲ止メ念佛セルニ其諸人淨土ニ生シテ島モアレハテヌト師子大阿羅漢神通ニ乘シテイタリ玉ヒテ見聞有テ傳説スト三寶感應錄ニ見エタリ是ラノ事アヤシキ事ニオモヒ侍レド古今其類例ナキニシモアラズ唐劉成ハ捕魚ヲ業トス天寳中李暉ト共ニ捕魚シテ丹陽浦ニ船ヲトドメテ宿ス李暉他ニ行キ劉成獨リ船中ニ在リ然ルコ船中ノ大魚首ヲウゴカシ鬣ヲフルヒテ阿彌陀佛ヲ稱ス劉成驚テ慚愧シ悉ク水中ニ投ス李暉船ニカヘリ船中ニ魚無キヲ見テ是ヲ問フ劉成夜來ノ趣キヲ語ルニ李暉マコトトセズ劉成是非ナクオノレガ財ヲモテ其アタヒヲツクナフカクテ李暉トワカレ劉成獨リ蘆間ヲワグテ船ヲ盪ニ水中ニアヤシキ紐アリ是ヲトルニ錢十五貫文ヲ得タリ其錢チククリタル紐ニ還汝魚直ノ字アリ是陰德陽報ノコトハリムナシカラズサモアリヌベシ又唐ノ豫章ノ熊愼父ニ隨テ捕魚ヲ業トス曾テ小船ニ父子共ニ

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