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J2530 称念上人行状記 妙阿 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0634A01: また候間罷下候しるしに何かな出し候はんとおもひ
J17_0634A02: 見るに付てふひんなる心も出來候はは只在家にはお
J17_0634A03: とりたるへしそれを打拂ほとの我心中にては無之候
J17_0634A04: 間是非をかへりみす不罷下候前前の事つらつらおも
J17_0634A05: ひつつけ候に後悔千萬に候たまたま古郷を打立候て
J17_0634A06: しらぬ所に修行いたし候へは分に隨て心もすむやう
J17_0634A07: に候又立歸りて名利のきつなにつながれたらん事迷
J17_0634A08: 惑に候人は機機樣樣なるものにて候某か機は此分に
J17_0634A09: て候かやうに申候とて在家なとの往生うたかはしき
J17_0634A10: 事は少も候はす生付如此候。
J17_0634A11: 一愚僧此地も何とやらん心靜なる事すくなく候間此
J17_0634A12: ほとは本寺近邊へ罷とり獨身に罷成へき覺悟に相定
J17_0634A13: 就夫も罷下り候へは當年中とかく致し候て徒に世路
J17_0634A14: にほたされ候間明日も不存身に一日も急に本意をと
J17_0634A15: け心靜に成たく候浮世をすてたるすかたにてうき世
J17_0634A16: にかかはり候事淺ましきはかりに候江口の遊女か歌
J17_0634A17:
J17_0634B18: かみおろし衣の色はそめぬるに
J17_0634B19: なをつれなきは心なりけり
J17_0634B20: 愚僧心中のとをり別て御懇志と申御心易まま委申述
J17_0634B21: 候餘の方へは是非不申相搆て御他言あるまじく候我
J17_0634B22: はたた無首尾物とのみおほせられ候ておかるべく
J17_0634B23: 候貴殿の御事は御分別の前にて如斯令申候萬萬申度
J17_0634B24: 事多候得共令略候再會は奉期極樂淨土候恐恐謹言。
J17_0634B25: 條條申事彌陀三尊も御照覽候へ僞にあらず候南無阿
J17_0634B26: 彌陀佛。
J17_0634B27: 二月晦日 樹敬寺 縁 譽
J17_0634B28: 木内宮内少輔殿 御宿所
J17_0634B29: ○心ヲ心ニマカセテハ果シテ大イタツラ物トハ涅槃經師子吼品言願作心師不師於心云云前心ニ惡ヲオコシ後心ニモ隨テ改メザルハ是レ心ノ師ニ非ス前心ニ惡ヲオコストモ後心ニオモヒ改ムルハ是心ノ師ナリトサレハ常陸眞壁ノ敬佛房モ(初ハ元祖大師ニ隨ヒ後ニハ明徧上人ニ隨念佛セラレシ人ナリ)心ノ師トナリテ心ヲ師トセザレトイヘリ孔聖ノ克己復禮モマタカクノゴトシオノレガ私欲ニカチテ天理ノ禮節ニカヘルハ即チ仁德ニシテ君子ノ德ニ同シ吾上人如是如説ニ行ヒ玉ヒシ志操ノ堅固ニマシマス事實ニ

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