浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J17_0623A01: | る要は忍辱と慈悲とにあり又法にそむく者は法のご |
J17_0623A02: | とく罸すべし、これもまた一殺多生の慈悲なりとい |
J17_0623A03: | へり又老僧が沒後中陰の追福は阿彌陀寺において寺 |
J17_0623A04: | の衆、谷の衆ばかりうちよりて念佛すべし屬院の衆 |
J17_0623A05: | は各自に修行あるへしとて十念を授け給へりかく遺 |
J17_0623A06: | 訓し給ひけれどいとすこやかにおはせば、入滅はい |
J17_0623A07: | つのことともおもはでありしに二十九日午尅七條の方 |
J17_0623A08: | 服を着しいさましく稱名し給へるか、あはたたしく |
J17_0623A09: | わか頭上に阿彌陀佛觀音勢至等の聖衆星のごとくむ |
J17_0623A10: | かへ給ふと仰らるるとそのまま御息よはらせ給へ |
J17_0623A11: | ば、侍者とりあへず磬うちならし念佛申かかるにや |
J17_0623A12: | がて合掌し十念唱へて坐脱し給ひぬ面容ゑめるに似 |
J17_0623A13: | たりけり時に紫雲山をこめ、妙なる華ふりそめて明 |
J17_0623A14: | る正月五日にいたる、その程はこの世ならぬ極樂の |
J17_0623A15: | 有樣なりしとなんなき御からを煙になして御骨を收 |
J17_0623A16: | るとき、白雲四方にたなびきぬとみればやがて五色 |
J17_0623A17: | の雲となり心ありげにうづまきたり、みなまもりゐ |
J17_0623B18: | て收骨の佛事やや時をうつせりけり、かくて日數や |
J17_0623B19: | うやうすぎゆくほどに遺弟の沙汰しけるは先師康存 |
J17_0623B20: | の日、御前に侍るときはおそれつつしみ見そなはぬ |
J17_0623B21: | 所にてはなにとなく心のどかに思ひしか今は六通さ |
J17_0623B22: | とり明かにつねにわれらがゐずまゐ心のよしあしま |
J17_0623B23: | でをくまなく照し給はんずらんさればかへりて世に |
J17_0623B24: | おはするよりは時わかずきづかはしきにあらずやと |
J17_0623B25: | て、各心行をつつしめりとぞ師の書給へる彌陀の寶 |
J17_0623B26: | 號火中に燒ざりし靈異世に多かりしとなん、當時知 |
J17_0623B27: | 恩院の御影堂におはします宗祖大師の靈像は文明十 |
J17_0623B28: | 六年師知識を唱へて修理し給へりと勅修圓光大師傳翼贊三十七に見 |
J17_0623B29: | えたり。 |
J17_0623B30: | 師の法語に云く念佛安心起行の要は恒に死を念じ、 |
J17_0623B31: | 心に助給へと思ひ、口に南無阿彌陀佛と唱ふるばか |
J17_0623B32: | りなり、此外に子細を申されん人は假令知者なりと |
J17_0623B33: | も其説を信ずべからすただ驀直に心存助給口稱名號 |
J17_0623B34: | の旨を守て順次に往生を遂べし宗眞上人傳止。 |