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J2520 湖東三僧伝 信冏 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0624A01: 第四世は映譽宗玖上人第五世は忍譽眞源上人第六世
J17_0624A02: は仙譽珠慶上人第七世は九譽源慶上人第八世は應譽
J17_0624A03: 明感上人なり此明感上人は勢州山田の人、卓犖不覊
J17_0624A04: の衲僧なり機を見時に乘じて大に祖燈を挑げ給へ
J17_0624A05: り、將軍信長公當國の居城ちかき蒲生郡安土に今の
J17_0624A06: 淨嚴院を造營あり支院八百八箇寺を附し、天正五年
J17_0624A07: 上人を請じて住持せしめ給ふ天正十年八月二十七日
J17_0624A08: 安徐として寂し給へり、幹事の中宗譽淨阿上人寶譽
J17_0624A09: 正琳法師なる者あり、當山に功あること住持職にも
J17_0624A10: 讓らさりきと、舊記に見えたり。
J17_0624A11: 附 錄
J17_0624A12: 阿彌陀寺淸規原本淸規數十件今摘要類衆爲十條以附焉
J17_0624A13: 一、三寶物に互用を制し、常什物に通局を斷し屬院
J17_0624A14: の賞罸、淸衆の進退、晦望の布薩、二時の安居、
J17_0624A15: 戒を以て座を爲等の義、一切律に據て沙汰すべき
J17_0624A16: 事。
J17_0624A17: 一、一切事中應作、不應作を觀すべし、總して事易
J17_0624B18: 簡に隨ひ、名利に馳るべからざる事。
J17_0624B19: 一、酒肉五辛山内に入ことを許さざる事。
J17_0624B20: 一、軍器を蓄へ國の使命を通じ又山内に於て殺生遊
J17_0624B21: 戲諸勝負等せしむへからさる事。
J17_0624B22: 一、當山の化縁若薄らかば、屬院等を巡行し念佛弘
J17_0624B23: 通すへき事。
J17_0624B24: 一、衆僧内慈忍に住し、外護法を念じ、他の信を護
J17_0624B25: り、他の非を説ことなかれ、道の爲に分陰を競ひ戲
J17_0624B26: 笑午睡を愼むへし、衣は僅に身を蔽ひ食は纔に命
J17_0624B27: を支へ物物節儉なるへし、叨に人間に往來すること
J17_0624B28: なかれ、夜も直綴衣を脱せずまるねにすへき事。
J17_0624B29: 一、病者は殊に意を加へ、親切に看侍し、善巧をも
J17_0624B30: て必死の覺悟に住せしめ稱名を勸めて順死に往生
J17_0624B31: を遂しむへし、それ終焉は浮沈苦樂の境なり、人
J17_0624B32: 情を放下し新佛を造立する想に住すへし、既に往
J17_0624B33: 生せば其名を過去帳に記し、鄭重に回願すへし有
J17_0624B34: 縁の者の命果も其に準すへき事。

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