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J2420 法然上人伝絵詞 琳阿 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0281A01: は上人にあふて念佛の信をとる誰の人か慈覺大師の
J17_0281A02: 御袈裟を相傳せんや南岳大師相承也誰人か帝王の御ため御受
J17_0281A03: 戒の師となるや誰人か法皇の御ため眞影をうつしと
J17_0281A04: とめらるるや誰人か他門のため歸敬せらるるや誰人
J17_0281A05: か現身に光を放や是則かしこに彌陀の智用をみかき
J17_0281A06: 勢至菩薩とここに勢至をほめて無邊光と申す智惠の
J17_0281A07: 光をもちて一切を照か故也上人を譽るに智惠第一と
J17_0281A08: 稱す碩德の用をもちて七道をうるほす故也彌陀は勢
J17_0281A09: 至に勅して濟度の使とし善導は上人を遣して順縁の
J17_0281A10: 機をととのへ給へりはかりしりぬ十方三世無央數界
J17_0281A11: 有性無性和尚の興世にあひてはしめて五乘齊入のみ
J17_0281A12: ちをさとり三界空居四禪八定天王天衆上人の誕生に
J17_0281A13: よりて忝五衰退沒の苦をぬきいてむ何況末代惡世の
J17_0281A14: 衆生彌陀稱名の一行によりて悉往生の素懷をとくる
J17_0281A15: 事源空上人傳説興行の故なり仍未來弘通のために錄
J17_0281A16: 之又上人御沒後に歸依いよいよ盛にして明禪法印は
J17_0281A17: 偏に上人勸化のこと葉を信して臨終の時政信上人を
J17_0281B18: 善知識として極重惡人無他方便の四句の文を唱へし
J17_0281B19: め念佛祈て往生をとけらると云又沙彌隨蓮は上人の
J17_0281B20: 配所へ御供したりしものなり出家ののち常に上人の
J17_0281B21: 御坊へ參りけりそのあひたに諸人のまいりたるにむ
J17_0281B22: かふことに常におほせられて云念佛はたた樣なきをも
J17_0281B23: て樣とする也只常に念佛の行をもちて詮とすへしと
J17_0281B24: 云隨蓮偏に此仰の旨を信して二心なく念佛を申けり
J17_0281B25: 上人御往生の後は彌念佛のほかすこしも餘念なくて
J17_0281B26: 三箇年をへける程に世間の念佛者共いかに念佛申と
J17_0281B27: も學問して三心をしらすは往生すへからすと云爰に
J17_0281B28: 隨蓮その人にむきて云故上人の御房は念佛は樣なき
J17_0281B29: をもて樣とす只偏に佛語を信して念佛すれは必往生
J17_0281B30: するなりとて全三心の事をもおほせられさりきと申
J17_0281B31: せは彼仁の云それは一切こころうましきもののため
J17_0281B32: に方便して仰られけるなり御存知の旨とて經釋の文
J17_0281B33: を少少ゆゆしけに申聞せけれは隨蓮か心に誠にさも
J17_0281B34: やありけんと聊疑心をおこして誰人にか此事をたつ

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