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J2420 法然上人伝絵詞 琳阿 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0282A01: ね申へきと思て一兩月の間此事心にかかりて念佛も
J17_0282A02: 申されすして過る程に或夜の夢に法勝寺の西門をさ
J17_0282A03: し入てみれは池の中にやうやうの蓮華ひらけてよに
J17_0282A04: めてたかりけれは西の廊のかたへあゆみよりてみあ
J17_0282A05: けたれは僧徒あまたならひゐて淨土の法門談らせらる
J17_0282A06: るを隨蓮きた橋にのほりあかりてみれは故上人の御
J17_0282A07: 房北なる座に南むきにましますと隨蓮みつけまいら
J17_0282A08: せてかしこまるに上人隨蓮を御覽してまちかくまい
J17_0282A09: れとめしけれは御かたはらにまいりぬしかるに隨蓮
J17_0282A10: か存する旨いまた申ささるさきに上人おほせられて
J17_0282A11: 云汝この程心におもひなけく事ありゆめゆめなけく
J17_0282A12: へからすと云此事一切に人にも申さす如何にして知
J17_0282A13: 食たるにかと思なから上件の樣を申けれは上人仰に
J17_0282A14: 云縱若僻事を云ものありてあの池なる蓮花を蓮花に
J17_0282A15: はあらす梅そ櫻そといはむをは汝はその定に蓮花に
J17_0282A16: はあらさりけりと思はんするか隨蓮申云現に蓮花に
J17_0282A17: 候はんものをはいかに人申候ともいかか信候へきと
J17_0282B18: 云上人の給はく念佛の業もみなみなかくの如し源空
J17_0282B19: か汝に念佛して往生する事はうたかひなしといひし
J17_0282B20: ことを信したるは蓮花蓮花と思はんか如しふかく信
J17_0282B21: して念佛を申へきなり惡儀邪義の見を梅櫻をはゆめ
J17_0282B22: ゆめ信すへからすと仰事ありと見て夢さめぬ其時隨
J17_0282B23: 蓮むかしの御詞を深く信してすこしのふしんもなし
J17_0282B24: 日來の疑心のこりなく散し畢て二心なく念佛して終
J17_0282B25: に往生をとけ畢
J17_0282B26: 隨蓮夢境の圖

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