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J2420 法然上人伝絵詞 琳阿 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0279A01: 大谷の廟堂をこほちすつべきよし侍りけるに東隅の
J17_0279A02: 入道出向て問答す又右兵衞尉藤原の盛政法師はせ向
J17_0279A03: て問答して云事の子細あらはすへからく天聽を驚し
J17_0279A04: たてまつり別しては武家に相ふれて是非に隨て左右
J17_0279A05: すへき處にみたりに狼藉をいたすこと自由速に惡行を
J17_0279A06: ととむへし是關東御下知の趣なりもしこの制法にか
J17_0279A07: かはらすは法にまかすへし更にうらむる事なかれと
J17_0279A08: 云にととまらす
J17_0279A09: 廟堂破壞制止の圖
J17_0279A10: 兼てそのよしを申侍しうへは醫王山王もきこしめせ
J17_0279A11: 念佛守護の赤山大明神にかはりたてまつりて四魔三
J17_0279A12: 障うちはらはむ僞て四明三千の使と號して魔縁のむ
J17_0279A13: らかり來るもととりは主君のためにそのかみきりに
J17_0279A14: き命は唯今師範の爲にすつへし縱萬騎の兵むかふと
J17_0279A15: も爭か一人當千の手にかかるへき思きや武勇のみち
J17_0279A16: にして師匠の恩を報し往生の門出せんとははかりき
J17_0279A17: や凶惡の輩をもて善知識の因縁とすへしと云事を各
J17_0279B18: 南無阿彌陀佛と稱すへし唯今汝か命を一一にほろほ
J17_0279B19: してむ自他もろともに九品蓮臺の同行也善惡不二の
J17_0279B20: をしへ邪正一如のをきては山門の使ならは聞知ぬら
J17_0279B21: ん顯には關東の御家人弓箭をとりて狼藉をふせく冥
J17_0279B22: には西土の念佛者魔軍を爭かはらはさらむ死人には
J17_0279B23: 宣命をふくむとも遺骨には誰か威勢をほとこさむと
J17_0279B24: 云て子息一人郞等をあひくしてかけけるに面をむく
J17_0279B25: るものなしくものこをちらすかことくうせにけり
J17_0279B26: 狼藉者を追拂ふ圖
J17_0279B27: 件の夜の改葬に宇津の宮の入道守護のために遁世の
J17_0279B28: 身なれともいてにし家の子郞等を招て俄の事なれは
J17_0279B29: 五六百騎の兵等をもて宿直すとて哀哉昔は死生不知
J17_0279B30: の譽をほとこさんとおもひしかとも今は往生極樂の
J17_0279B31: 名をととめむと願す宿習のたすくるところたた事に
J17_0279B32: はあらし御廟はこほちて御棺はかりに成て御弟子等
J17_0279B33: 并兵士等めくりけり倩往事を思へは祖父金吾朝綱は
J17_0279B34: 東大寺の脇士觀世音菩薩を造立し奉りてかたみを東

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