浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J17_0279A01: | 大谷の廟堂をこほちすつべきよし侍りけるに東隅の |
J17_0279A02: | 入道出向て問答す又右兵衞尉藤原の盛政法師はせ向 |
J17_0279A03: | て問答して云事の子細あらはすへからく天聽を驚し |
J17_0279A04: | たてまつり別しては武家に相ふれて是非に隨て左右 |
J17_0279A05: | すへき處にみたりに狼藉をいたすこと自由速に惡行を |
J17_0279A06: | ととむへし是關東御下知の趣なりもしこの制法にか |
J17_0279A07: | かはらすは法にまかすへし更にうらむる事なかれと |
J17_0279A08: | 云にととまらす |
J17_0279A09: | 廟堂破壞制止の圖 |
J17_0279A10: | 兼てそのよしを申侍しうへは醫王山王もきこしめせ |
J17_0279A11: | 念佛守護の赤山大明神にかはりたてまつりて四魔三 |
J17_0279A12: | 障うちはらはむ僞て四明三千の使と號して魔縁のむ |
J17_0279A13: | らかり來るもととりは主君のためにそのかみきりに |
J17_0279A14: | き命は唯今師範の爲にすつへし縱萬騎の兵むかふと |
J17_0279A15: | も爭か一人當千の手にかかるへき思きや武勇のみち |
J17_0279A16: | にして師匠の恩を報し往生の門出せんとははかりき |
J17_0279A17: | や凶惡の輩をもて善知識の因縁とすへしと云事を各 |
J17_0279B18: | 南無阿彌陀佛と稱すへし唯今汝か命を一一にほろほ |
J17_0279B19: | してむ自他もろともに九品蓮臺の同行也善惡不二の |
J17_0279B20: | をしへ邪正一如のをきては山門の使ならは聞知ぬら |
J17_0279B21: | ん顯には關東の御家人弓箭をとりて狼藉をふせく冥 |
J17_0279B22: | には西土の念佛者魔軍を爭かはらはさらむ死人には |
J17_0279B23: | 宣命をふくむとも遺骨には誰か威勢をほとこさむと |
J17_0279B24: | 云て子息一人郞等をあひくしてかけけるに面をむく |
J17_0279B25: | るものなしくものこをちらすかことくうせにけり |
J17_0279B26: | 狼藉者を追拂ふ圖 |
J17_0279B27: | 件の夜の改葬に宇津の宮の入道守護のために遁世の |
J17_0279B28: | 身なれともいてにし家の子郞等を招て俄の事なれは |
J17_0279B29: | 五六百騎の兵等をもて宿直すとて哀哉昔は死生不知 |
J17_0279B30: | の譽をほとこさんとおもひしかとも今は往生極樂の |
J17_0279B31: | 名をととめむと願す宿習のたすくるところたた事に |
J17_0279B32: | はあらし御廟はこほちて御棺はかりに成て御弟子等 |
J17_0279B33: | 并兵士等めくりけり倩往事を思へは祖父金吾朝綱は |
J17_0279B34: | 東大寺の脇士觀世音菩薩を造立し奉りてかたみを東 |