浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J17_0276A01: | なれり往生のちかつき給へるかと上人ききての給は |
J17_0276A02: | くあはれなるかなあはれなるかなわか往生はたた一切衆生をし |
J17_0276A03: | て念佛を信せしめむかためなりと未時ことに目をひら |
J17_0276A04: | きて西方へ見をくり給こと五六遍看病の人聞ていは |
J17_0276A05: | く佛のきたり給かとこたへての給はくしかなり |
J17_0276A06: | 紫雲靉靆の圖 |
J17_0276A07: | 抑七八年のそのかみある雲客兼隆朝臣夢に見云云上人御 |
J17_0276A08: | 臨終の時は光明遍照の四句の文を唱給へしと云云爰 |
J17_0276A09: | 上人廿三日以後三日三夜或は一時或は半時高聲念佛 |
J17_0276A10: | 不退のうへことに廿四日酉刻より廿五日の巳刻に至る |
J17_0276A11: | 迄は高聲念佛體をせめて無間也弟子五六人番番に助 |
J17_0276A12: | 音す助音の人人は窮屈にをよふといへとも老體病腦 |
J17_0276A13: | の身高聲念佛勇猛にしておこたらす參集せる道俗見 |
J17_0276A14: | 聞せる老少讚嘆せすといふ事なし午時に至りてその |
J17_0276A15: | 念佛の聲漸かすかにして高聲は時時あひましはる |
J17_0276A16: | 正しく最後にのそむ時は年來所持の慈覺大師の袈裟 |
J17_0276A17: | をかけて頭北面西にして光明遍照十方世界念佛衆生 |
J17_0276B18: | 攝取不捨の文を誦して念佛していきたえ給ぬ聲やみ |
J17_0276B19: | てのちなを脣舌をうこかすこと十餘へんはかりなり時 |
J17_0276B20: | に春秋滿八十夏﨟六十六身體柔軟にして容貌常のこ |
J17_0276B21: | とし惠燈すてにきえ法舟又沒しぬ貴賤哀慟して考妣 |
J17_0276B22: | を喪せるかことし爰弟子等憂悲啼哭しなから彼砌に |
J17_0276B23: | 葬したてまつる季節いかなる比そや釋尊滅をとなへ |
J17_0276B24: | 給ひ上人滅をとなふるかれは二月中旬の五日也是は |
J17_0276B25: | 正月下旬の五日なり八旬いかなるとしそや釋尊も滅 |
J17_0276B26: | をとなへ給上人も滅を唱ふかれも八十なり是も八旬 |
J17_0276B27: | なり |
J17_0276B28: | 御往生の圖 |
J17_0276B29: | このとき建曆二年壬申正月廿五日午の正中に遷化行年滿八十 |
J17_0276B30: | 伏惟釋尊圓寂の月にすすめる一月荼毗の煙ことなり |
J17_0276B31: | といへとも彌陀感應の日にしりそくこと十日利生の風 |
J17_0276B32: | これおなしきをや觀音垂迹の勝地勢至方便の善巧か |
J17_0276B33: | くのことし然して後門弟に世間の風俗にまかせて遺骨 |
J17_0276B34: | をおさめ中陰の孝行をいたす初七日御導師信蓮房不 |