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J2420 法然上人伝絵詞 琳阿 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0276A01: なれり往生のちかつき給へるかと上人ききての給は
J17_0276A02: くあはれなるかなあはれなるかなわか往生はたた一切衆生をし
J17_0276A03: て念佛を信せしめむかためなりと未時ことに目をひら
J17_0276A04: きて西方へ見をくり給こと五六遍看病の人聞ていは
J17_0276A05: く佛のきたり給かとこたへての給はくしかなり
J17_0276A06: 紫雲靉靆の圖
J17_0276A07: 抑七八年のそのかみある雲客兼隆朝臣夢に見云云上人御
J17_0276A08: 臨終の時は光明遍照の四句の文を唱給へしと云云
J17_0276A09: 上人廿三日以後三日三夜或は一時或は半時高聲念佛
J17_0276A10: 不退のうへことに廿四日酉刻より廿五日の巳刻に至る
J17_0276A11: 迄は高聲念佛體をせめて無間也弟子五六人番番に助
J17_0276A12: 音す助音の人人は窮屈にをよふといへとも老體病腦
J17_0276A13: の身高聲念佛勇猛にしておこたらす參集せる道俗見
J17_0276A14: 聞せる老少讚嘆せすといふ事なし午時に至りてその
J17_0276A15: 念佛の聲漸かすかにして高聲は時時あひましはる
J17_0276A16: 正しく最後にのそむ時は年來所持の慈覺大師の袈裟
J17_0276A17: をかけて頭北面西にして光明遍照十方世界念佛衆生
J17_0276B18: 攝取不捨の文を誦して念佛していきたえ給ぬ聲やみ
J17_0276B19: てのちなを脣舌をうこかすこと十餘へんはかりなり時
J17_0276B20: に春秋滿八十夏﨟六十六身體柔軟にして容貌常のこ
J17_0276B21: とし惠燈すてにきえ法舟又沒しぬ貴賤哀慟して考妣
J17_0276B22: を喪せるかことし爰弟子等憂悲啼哭しなから彼砌に
J17_0276B23: 葬したてまつる季節いかなる比そや釋尊滅をとなへ
J17_0276B24: 給ひ上人滅をとなふるかれは二月中旬の五日也是は
J17_0276B25: 正月下旬の五日なり八旬いかなるとしそや釋尊も滅
J17_0276B26: をとなへ給上人も滅を唱ふかれも八十なり是も八旬
J17_0276B27: なり
J17_0276B28: 御往生の圖
J17_0276B29: このとき建曆二年壬申正月廿五日午の正中に遷化行年滿八十
J17_0276B30: 伏惟釋尊圓寂の月にすすめる一月荼毗の煙ことなり
J17_0276B31: といへとも彌陀感應の日にしりそくこと十日利生の風
J17_0276B32: これおなしきをや觀音垂迹の勝地勢至方便の善巧か
J17_0276B33: くのことし然して後門弟に世間の風俗にまかせて遺骨
J17_0276B34: をおさめ中陰の孝行をいたす初七日御導師信蓮房不

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