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J2420 法然上人伝絵詞 琳阿 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0275A01: 儀なりしと也
J17_0275A02: 夢中參内天童遊戯の圖
J17_0275A03: 建曆貳年壬申正月一日よりは老病そらに期して蒙昧身
J17_0275A04: にいたれり待ところたのむことまことによろこはしきか
J17_0275A05: なやとて高聲念佛不退なり或時は弟子に告ての給は
J17_0275A06: くわれもと天竺にありて聲聞僧にましはりき頭陀を
J17_0275A07: 行しき今日本國に來て天台宗に入て又念佛をすすむ
J17_0275A08: 身心に苦病なく蒙昧忽に分明なり抑我往生は一切衆
J17_0275A09: 生の結縁のため也われもと居せし所なれば歸行へし
J17_0275A10: 唯人を引導せんと思ふ
J17_0275A11: 病床御物語の圖
J17_0275A12: 十一日の辰の時上人をきいて高聲に念佛し給き愚人
J17_0275A13: みな涙流す弟子等につけてのたまはく高聲念佛すへ
J17_0275A14: し阿彌陀佛きたり給へるなりとこの佛の名號をとな
J17_0275A15: うれは一人も往生せすといふ事なしといひて念佛の
J17_0275A16: 功德を讚嘆し給事あたかも昔のことし上人又の給はく
J17_0275A17: 觀音勢し等の菩薩聖衆現前し給へりおのおのおかみ
J17_0275B18: たてまつるにやいなやと弟子等おかみたてまつらす
J17_0275B19: 云云是を聞ていよいよ念佛せよとすすめ給ふ其後
J17_0275B20: 弟子等臨終のために三尺の彌陀の像を病床のみきり
J17_0275B21: にむかへたてまつりて云此佛を拜し給へしと時に上
J17_0275B22: 人ゆひをもて空をさしての給はくこの佛のほかに又
J17_0275B23: おはしますおかむやとすなはちかたりていはく凡こ
J17_0275B24: の十餘年よりこのかた念佛の功つもりて極樂の莊嚴
J17_0275B25: をよひ佛菩薩等の御身を見たてまつることつねのこ
J17_0275B26: となりしかれとも年來秘していはすいま沒期にのそ
J17_0275B27: めりかるかゆへにしめすところなり又弟子等佛の御
J17_0275B28: 手に五色のいとをつけてすすむれはこれをとり給は
J17_0275B29: す上人の給はく如此のことは是つねの人の儀式なり
J17_0275B30: 我身にをひてはいまかならすしもといひてつゐにこ
J17_0275B31: れをとり給はす廿日巳の時紫雲靉靆として坊の上に
J17_0275B32: 垂布せりなかくたなひきて又圓形の雲あり圖繪の形
J17_0275B33: 像の圓光のことくして五色鮮潔なり路次往反の人處處
J17_0275B34: にこれを見る弟子申さくこのうへに紫雲まさにつら

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