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J2420 法然上人伝絵詞 琳阿 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0272A01: 深法を得たり我そのひとり也彼上人すてに心中の奧
J17_0272A02: 義也たやすく是をさつけす機をえらひて傳受せしむ
J17_0272A03: へしと云云風聞の説もし實ならはみなもて虚言なり
J17_0272A04: 迷者をあはれまむかためには誓言をたつ貧道もし是
J17_0272A05: を秘して僞て此旨をのへ不實の事をしるさは十方三
J17_0272A06: 寶まさに知見をたれて毎日七萬遍の念佛をしかしな
J17_0272A07: からむなしくその利益をうしなはむ圓頓行者のはし
J17_0272A08: め實相を縁する六度萬行を修して無生忍にいたるい
J17_0272A09: つれの法か行なくして證をうるやこひねかはくはこ
J17_0272A10: の疑網に墮せむたくひ邪見の稠林をきりて正直の心
J17_0272A11: 地をみかき將來の鐵城をのかれて終焉の金臺にのほ
J17_0272A12: れ胡國程遠し思ひを鴈札に通す北陸さかひはるか也
J17_0272A13: 心を像敎にひらく山川雲かさなりて面を千萬里の月
J17_0272A14: にへたつれとも化導縁あつくして久し一佛土の風に
J17_0272A15: ちかつけむしかのみならず誑惑のともからいまた半
J17_0272A16: 卷の書をよます一句の法をうけす弟子と號する甚そ
J17_0272A17: のいひなしをのか身の智德かけて人をして信用せし
J17_0272B18: めむかためにほしきままに外道の法をときて師匠の
J17_0272B19: 説とし或はみつから稱して弘願門となつけ或は心に
J17_0272B20: 任て謀書をつくり念佛要文集と號す此書の中にはし
J17_0272B21: めて僞法を作てあしたに證據にそなふ念佛秘之經也
J17_0272B22: 花嚴等の大乘の中に本經になき所の文を作て云諸善
J17_0272B23: をなすへからず唯專修一念をつとむへしと云云彼書
J17_0272B24: いま現に花夷に流布す智者みるといふともわらふへ
J17_0272B25: し愚人是を信受する事なかれかくのことくの謀書前
J17_0272B26: 代にもいまたきかすなを如來にをきて妄語をよす況
J17_0272B27: や凡夫にをきて惡言をあたえんをや此猛惡の經一を
J17_0272B28: 持て萬を察すへきもの也是癡闇の輩也いまた邪見と
J17_0272B29: するに及す誑惑のたくひ也名利のために他をあやま
J17_0272B30: つ抑貧道山修山學のむかしより五十のあひた諸宗の
J17_0272B31: 章疏等披閲して嶺岳になき所をは之を他門にたつね
J17_0272B32: てかならす一見をとく讚仰としつもり聖敎殆つくす
J17_0272B33: しかのみならす或は夏の間四種三昧を修し或は九旬
J17_0272B34: のうちに六時懺法を行す年來長齋して顯密の諸行を

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