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J2420 法然上人伝絵詞 琳阿 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0271A01: 一念の僞法をひろめて無行のとかを謝せす剩無念邪
J17_0271A02: 儀をたててなを一稱の小行をうしなふ微善なりとい
J17_0271A03: へとも善根にをひてあとをつけり重罪なりといへと
J17_0271A04: も罪障におひていよいよいきをひをます刹那五欲の
J17_0271A05: 樂をうけむかために永劫三途の業を恐す人を敎化し
J17_0271A06: て云彌陀の願をたのまむものは五逆をははかる事な
J17_0271A07: かれ心に任て是をつくるへし袈裟を着すへからすよ
J17_0271A08: ろしく直垂を着して婬肉を斷すへからすほしきまま
J17_0271A09: に鹿鳥を食すへしと云弘法大師異生羝羊の心を釋し
J17_0271A10: ての給はくたた婬欲を思ふ事かの羝羊のことしとい
J17_0271A11: へり此ともからたた弊欲にふける事ひとへに彼たく
J17_0271A12: ひの十重心の中に三惡道の心なり誰かかなしまさら
J17_0271A13: むやたた餘敎をさまたくるのみにあらすかへりて念
J17_0271A14: 佛の行をうしなふ懈怠無慚の業をすすめて捨戒還俗
J17_0271A15: の縁をしめすこの本朝には外道なし是すてに天魔の
J17_0271A16: かまへなり佛法を破滅し世人を惑亂す此敎流にした
J17_0271A17: かはんものは痴鈍のいたす所也いまた敎文を學せす
J17_0271B18: といふとも心あらむともからは何そ信すへきや善導
J17_0271B19: 和尚所造の觀念法門に云すへからく持戒念佛すへし
J17_0271B20: 云云和尚弟子三昧發得の懷感法師の群疑論にいは
J17_0271B21: く兜率を志求せむものは西方の行人を毀事なかれた
J17_0271B22: た各性欲にしたかひ心にまかせて修學すへしと云云
J17_0271B23: 安養の行人この敎にしたかはむと思はは祖師の跡を
J17_0271B24: ふみて隨分に戒品をまもりて衆罪をつくらす餘敎を
J17_0271B25: 妨す餘行をかろしむる事なかれ惣て佛法におひて恭
J17_0271B26: 敬の心をなして更に三萬六萬の念佛を修しまさに五
J17_0271B27: 門九品の淨土を期すへしと云云しかるに近日北陸道
J17_0271B28: の中にひとりの誑法のものあり妄語をかまへて云法
J17_0271B29: 然上人の七萬遍の念佛はたた是をしらすいはゆる彌
J17_0271B30: 陀の本願をしれは身かならす極樂に往生す淨土の業
J17_0271B31: に滿足しぬ此うへなんそ一遍なりといふとも重て名
J17_0271B32: 號を唱ふへきや彼の上人の禪房にして門人等に三十
J17_0271B33: 人ありて秘義を談せし所に淺智のたくひ性鈍にして
J17_0271B34: いまたさとらす利根のともからわつかに五人あて此

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