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J2420 法然上人伝絵詞 琳阿 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0270A01: つり雪月花を見る人は西樓に目をかけ琴詩酒のとも
J17_0270A02: からは西の枝の梨子ををる是みな彌陀をあかめさる
J17_0270A03: をは瑕瑾とし念珠をくらさるをは耻辱とす爰をもて
J17_0270A04: 花族遊妾といへとも念佛せさるをはおとしめ乞匃非
J17_0270A05: 人といへとも念佛するをはもてなすかるかゆへに八
J17_0270A06: 功德池のうへには念佛のはちすの池にみち三尊來迎
J17_0270A07: の砌には紫臺をさしをくひまなししかれは我等か念
J17_0270A08: 佛せさるは彼池の荒廢なり我等か欣求せさるは此國
J17_0270A09: のうみ人也國のにきはひ佛のたのしみ念佛をもちて
J17_0270A10: 本とす人のねかひ我かのそみ念佛をもちてさきとす
J17_0270A11: 仍當座の愚昧公請につかふまつりてかへる夜は念佛
J17_0270A12: を唱て枕とし私宅を出てわしるひま極樂を念して車
J17_0270A13: をはすこれ上人の敎誡過去の宿善にあらすやとて鼻
J17_0270A14: をかみこゑをむせひ舌をまきてととこほるきさみ法
J17_0270A15: 主なみたをなかし聽衆袖をしほることことく念佛門
J17_0270A16: になひきてしかしなから上人のすすめにかなふ
J17_0270A17: 一切經の寄與を迎える圖
J17_0270B18: さて住侶は十餘人面面に上人の興隆を悅て一山のた
J17_0270B19: め萬代のかためいかてかその廣恩を報せむと思へり
J17_0270B20: むかし戒成皇子金泥の大般若の供養のみきりに山上
J17_0270B21: の草木ことことくなひく南なるは北にふし西なるは
J17_0270B22: 東になみよりしかことく西基のまついま西谷に侍り
J17_0270B23: その谷を上人御經廻のあひた廻向したてまつりて菜
J17_0270B24: つみ水くむわつらひなくこのみをひろいつま木をこ
J17_0270B25: るたよりあるへきよし申あはせけるにいくほとなく
J17_0270B26: して歸京のよしきこへければ一山なこりをおしみて
J17_0270B27: 九重の雲にをくりたてまつる
J17_0270B28: (一切經開題供養の圖)
J17_0270B29: 源空上人一念停止の書狀そへたり聖覺法印の書狀當
J17_0270B30: 世念佛門におもむく行人等の中におほくもて無智誑
J17_0270B31: 惑輩有いまた一宗の廢立をしらす一法の名目に及は
J17_0270B32: す心に道心なく身に利養をもとむ是によりて恣に妄
J17_0270B33: 語をかまへて諸人を迷惑す偏に渡世のはかりことの
J17_0270B34: ためにしてまたく來世の身をかへりみすかたましく

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