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J2420 法然上人伝絵詞 琳阿 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0269A01: たりては國よろしく承知すへし宣によりて是をおこ
J17_0269A02: なふ承元三年八月日左大史小攬宿禰國實辨
J17_0269A03: 赦免宣下。宣旨到達。出發歸路の圖
J17_0269A04: 此時稱名のこゑいよいよたかしやまひこ五須彌山に
J17_0269A05: もひひくらん往生の願念いたりてゆかしきここち功
J17_0269A06: 德池にもあまらんやかるかゆへに極樂世界には常に
J17_0269A07: 菩薩聖衆をもよをして上人來迎の雲をこしらえて我
J17_0269A08: 等が往生をさきとすかくていまた入洛にをよはすか
J17_0269A09: ちおの山に勝如上人往生の地いみしくおほへて暫お
J17_0269A10: はしけれは華夷の男女道俗貴賤參あつまり侍り住侶
J17_0269A11: 等臨時に七日夜の念佛勤行し侍りけり
J17_0269A12: 勝尾寺留錫諸人參拜の圖
J17_0269A13: 當山に一切經ましまさるるよし聞召けれは上人所持
J17_0269A14: の經論をわたし給ふに寺内の老若上下七十餘人を遣
J17_0269A15: はしてさかむかへに上人の弟子殿法印御房古﨟の住
J17_0269A16: 侶等花を散し香をたき盖をさしてむかへたてまつる
J17_0269A17: 住侶各隨喜悅譽して法印聖覺を唱導として開題讚嘆
J17_0269B18: の詞に云夫八萬法藏は八萬の衆類をみちひき一實眞
J17_0269B19: 如は一向專修をあらはす 用明天皇の儲君御誕生に
J17_0269B20: 南無佛と唱給ふ其名をあらはさすといへとも心は彌
J17_0269B21: 陀の名號也慈覺大師の念佛傳燈は文をひきて寶池の
J17_0269B22: 波にこゑをたて空也上人の念佛はこゑをたて數をは
J17_0269B23: しらす惠心僧都の要集には二の道を作りて一心散心
J17_0269B24: の得失を判す永觀律師の往生十因には十門をたてて
J17_0269B25: 一偏にはつかす良忍上人の融通念佛は神祇をは勸給
J17_0269B26: へ共凡夫の望はうとし爰に我か大師法然上人行年四
J17_0269B27: 十三より念佛門に入てあまねくひろめ給ふに天子の
J17_0269B28: いつくしき玉冠を西にかたふけ月卿のかしこき金笏
J17_0269B29: を東にたたしくす皇后のこひたるいたひけの跡をこ
J17_0269B30: ひ傾城のことむなき五百の侍女をまなふあひたとめる
J17_0269B31: はをこりてもてあそひ貧しきはなけきて友とす農夫
J17_0269B32: か鋤をふむ念佛をもて田謌とし織女かいとをひく念
J17_0269B33: 佛をたてぬきにし鈴をならす驛路には念佛をもちて
J17_0269B34: 馬に擬しふなはたをたたく海上に念佛をもちて魚を

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