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J2420 法然上人伝絵詞 琳阿 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0273A01: 修練す身すてにつかれて老の後に念佛をつとむ今稱
J17_0273A02: 名の一門に付て易往の淨土を期すといへとも猶他宗
J17_0273A03: の敎文に悉く敬重をなす況やもとより貴ふところの
J17_0273A04: 眞言止觀をや本山黑谷の法藏傳持するかくる所有聖
J17_0273A05: 敎をはなをかさねて書寫したてまつりて是をおきぬ
J17_0273A06: ふ然に新發道意の侶愚闇後末の客いまたその往昔を
J17_0273A07: みす此深奧をしらすわつかに念佛の行儀をききみた
J17_0273A08: りかはしく偏愚の邪執をなす嗚呼哀哉いたむへしか
J17_0273A09: なしむへし有智の人是をみて旨を達せよその趣を先
J17_0273A10: 年の比しるすところの七箇條の敎誡の文にのせたり
J17_0273A11: 子細はしおほし毛擧するにあたはす而已一念停止の
J17_0273A12: 書狀承元三年六月十九日沙門源空在判
J17_0273A13: 越後の國より上洛せらるる上人の申さるる旨委承畢
J17_0273A14: 彼國に披露する念佛の義承かことくは悲涙をさへか
J17_0273A15: たく候者也そのうちに愚僧をもつて惡僧勸進の證人
J17_0273A16: にもちゐらるる條甚いたみおもひたてまつるもの也
J17_0273A17: 披露のことくは法然上人の御もとに隆寬律師再會合
J17_0273B18: して此儀をなすと云云此條大無實也彼上人はこと存知
J17_0273B19: の旨あり菩薩十重禁戒を傳受し奉り畢仍授戒の師範
J17_0273B20: 也其條うたかひなし念佛の業にいたりては一文一義
J17_0273B21: 全以是を傳受せす況や隆寬律師あひともに會合談儀
J17_0273B22: の事すへてもて無實也小僧説法の頃に時時普通の解
J17_0273B23: 釋の事を述釋する事有粗是を傳聞て直に彼上人に對
J17_0273B24: して是を傳受せすそのうへ或は一念往生の義をかま
J17_0273B25: へて念佛往生の義を廢退し或は本願を信すと號して
J17_0273B26: 衆惡を行し此等の義心中に是を存せす口言に是をの
J17_0273B27: へすかなしきかなやいたましきかなや末世の邪僻た
J17_0273B28: れ人か此重罪をひらかむ惡鬼その身に入ともからに
J17_0273B29: あらすは此事をわきまへかたきか今此申のふるとこ
J17_0273B30: ろもし憍餝あらはながく佛種をたちてよろしく闡提
J17_0273B31: のたくひたるへし有心の道俗ゆめゆめ彼邪敎に隨順
J17_0273B32: する事なかれ此趣をもちてつたえひろめしき給へき
J17_0273B33: 狀件のことし
J17_0273B34: 承元三年六月廿三日

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