ウィンドウを閉じる

J2420 法然上人伝絵詞 琳阿 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0266A01: とにととまる身のためひとりなむのおもひてのあつ
J17_0266A02: い事あらむといひてむねをうちて嘆息す上人の給は
J17_0266A03: く予よはひすてに八旬にせまれりおなし帝畿にあり
J17_0266A04: ともなかくいきてたれかみむ但因縁はつきすなむそ
J17_0266A05: 又今生の再會なからむうれへされこの時にあたりて
J17_0266A06: また邊鄙の群類を化せむ事是莫大の利生なり但いた
J17_0266A07: む所は源空か興する所の淨土の法門は濁世衆生の決
J17_0266A08: 定出離の要道なるかゆへに守護の天等常隨すらむわ
J17_0266A09: か心には遺恨なしといへともかれらの天等さためて
J17_0266A10: 冥瞰弟子か住蓮安樂斬刑かくのことし前代いまたきかす
J17_0266A11: 事常篇にたえたり因果のむなしからさる事いきて世
J17_0266A12: に住せられはおもひあはせらるへきなりと云云信空
J17_0266A13: 上人のいはく先師の事はたかはすはたしてそのむく
J17_0266A14: ひありなにをもてしるとするとならは承久の變亂に
J17_0266A15: 東夷上都にかちし時きみは北海の島の中にましまし
J17_0266A16: て多年心をいたましめ臣は東土のみちのかたはらに
J17_0266A17: して一旦いのちをうしなう先言のしるしある後生よ
J17_0266B18: ろしくききとるへしつきに又云およそ念佛停廢の沙
J17_0266B19: 汰あることに凶厲ならすといふ事なし人皆是を知り
J17_0266B20: 〓縷にあたはすと云云此事筆端にのせかたしといへ
J17_0266B21: とも前事のわすれさるは後事の師なりといふをもち
J17_0266B22: てのゆへによのため人のためははかりなからこれを
J17_0266B23: 記す
J17_0266B24: 門弟悲嘆上人垂誡。上人花洛を出給ふ圖
J17_0266B25: 同日大納言律師公全も西國へなかされ侍りけるか律
J17_0266B26: 師の船はさきに出けるか上人くたらせ給とききてし
J17_0266B27: はらくをさへて上人の御船にのりうつりひとめ見あ
J17_0266B28: けて上人の御ひさにうつふしなくといへとも上人は
J17_0266B29: なみたもをとさす念佛しておはしける程に律師の舟
J17_0266B30: よりとくとくと申けれはいよいよなこりおほくても
J17_0266B31: との舟にのりうつりにけり
J17_0266B32: 律師公全別れを惜むの圖
J17_0266B33: 攝津の國經の島にとまらせ給けれは男女老少まいり
J17_0266B34: あつまる事そのかすをしらす其なかに往生の行をす

ウィンドウを閉じる