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J2420 法然上人伝絵詞 琳阿 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0265A01: 上人小松殿に移り殿下と對坐の圖
J17_0265A02: 元久三年七月よし水をいてて小松殿にうつりて明月
J17_0265A03: を詠し給けるに權律師隆寬小松殿に參向の時上人御
J17_0265A04: 堂のうしろとに出むかひて一卷の書を隆寬律師のむ
J17_0265A05: ねのあひたにさしいれたまふ月輪殿の仰によりてえ
J17_0265A06: らふところの選擇集これなり
J17_0265A07: 選擇集授與の圖
J17_0265A08: 建永二年丁卯二月廿七日還俗の姓名の春源元彥配所土
J17_0265A09: 佐國に侍りけれとも月輪禪定殿下の御沙汰として法
J17_0265A10: 性寺の小御堂に逗留をなして三月十六日都を出給ふ
J17_0265A11: しなのの國角はりの成阿彌陀佛沙彌隨蓮力者の棟梁
J17_0265A12: として惣して我もわれもと參勤の人びと六十余人なり
J17_0265A13: この次第を見るに人人なけきかなしみ侍けれはかれ
J17_0265A14: らをいさめんかために驛路はこれ大聖のゆくところ
J17_0265A15: なり漢には一行阿闍梨日本には役行者謫所は又權化
J17_0265A16: の栖砌なり震旦には白樂天我朝には菅丞相なり在纒
J17_0265A17: 出纒みな火宅なり眞諦俗諦しかしながら水驛なりこ
J17_0265B18: こに角はり俗性もいやしからす王家をまほり朝敵を
J17_0265B19: とりひしく伊州の玄孫なれとも本師上人に隨て又奴
J17_0265B20: となり僕となれりことさらちからをつくして御こ
J17_0265B21: しをかく菜つみ水くむ役をいとはす身をすててつ
J17_0265B22: かへむとす爰に一人の弟子に對して一向專念の義を
J17_0265B23: のへ給西阿彌陀佛といふ弟子推參していはく如是の
J17_0265B24: 御義ゆめゆめあるへからす候をのをの御返事を申さ
J17_0265B25: しめ給へからすと云云上人の給はく汝經釋の文をみ
J17_0265B26: すや西阿かいはく經釋の文はしかりといへとも世間
J17_0265B27: の機嫌を存するはかりなり上人の給はく我首をきら
J17_0265B28: るとも此事いはすはあるへからすと云云御氣色もと
J17_0265B29: も至誠なり見奉る人人なみたをなかして隨喜す時に
J17_0265B30: 信空上人ひそかに啓していはく衰邁の身をもて遠境
J17_0265B31: のたひに出給ふは師といきなから別離すあひさる事
J17_0265B32: いくはくそ各各天の一座にあり山海へたてまたなか
J17_0265B33: し音容ともにいまにかきれり再會なむそしるへき又
J17_0265B34: うれうらくは師所犯しなすてに流刑の宣を蒙れりあ

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