浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J17_0263A01: | 卷六 |
J17_0263A02: | |
J17_0263A03: | あるとき上人瘧病し給ふ事あり種種の療治に一切か |
J17_0263A04: | なはす時に月輪の禪定殿下おほきに是をなけきての |
J17_0263A05: | 給はく我善導の御影を圖繪す上人の前にしてこれを |
J17_0263A06: | 供養せむとおもふこのよし安居院の僧都のもとへお |
J17_0263A07: | ほせらる御返事にいはく聖覺も同日同時に瘧病つか |
J17_0263A08: | うまつる事に候しかりといへとも師匠報恩のために |
J17_0263A09: | 參勤つかまつるへしたたし早旦に御佛事はしめらる |
J17_0263A10: | へしと云云辰時より説法はしめて未時に説法をはり |
J17_0263A11: | ぬ導師ならひに上人ともに瘧病をちをはりぬ又其説 |
J17_0263A12: | 法の大師は大師釋尊も衆生に同する時は常に病惱を |
J17_0263A13: | うけ療治をもちひ給ふへきいはむや凡夫血肉の身い |
J17_0263A14: | かかそのうれへなからむしかりといへ共淺智愚鈍の |
J17_0263A15: | 衆生はこの道理をかへりみす定不信のおもひをいた |
J17_0263A16: | さむか上人化道すてに佛意にかなひてまのあたり往 |
J17_0263A17: | 生をとくるもの千萬云云しかれは諸佛菩薩諸天龍神 |
J17_0263B18: | いかてか衆生の不信をなけかさらむ四天大王佛法を |
J17_0263B19: | 守護すへくはかならすわか大師上人の病惱をいやし |
J17_0263B20: | 給へきなり善導の御影の前に異香薰すと云云僧都云 |
J17_0263B21: | 故法印は雨をくたして名をあく聖覺か身にはこの事 |
J17_0263B22: | も奇特を云云世間の人おほきにをとろきて不思議の |
J17_0263B23: | おもひをなすと云云 |
J17_0263B24: | 導師の御影供養の圖 |
J17_0263B25: | 元久二年乙丑四月五日上人月輪殿に參りて淨土の法門 |
J17_0263B26: | 御談ののち退出のとき地のうへより高く蓮花をふみ |
J17_0263B27: | てあゆみ御うしろに頭光赫奕たり禪定殿下くつれを |
J17_0263B28: | りさせ給て稽首歸命したてまつりてなみた千萬行な |
J17_0263B29: | りしはらくありて茫然としておとろきをきての給は |
J17_0263B30: | く上人の頭上に金色の圓光顯現せり希有事各おのこ |
J17_0263B31: | れをおかみたてまつるか時にかたはらにはむへるは |
J17_0263B32: | 戒心房左京權太夫隆信入道大蓮房中納言阿闍梨尋玄二人なりともに啓す |
J17_0263B33: | みたてまつらす歸依としふりたりといへともこのの |
J17_0263B34: | ちはいよいよ佛のおもひをなしたてまつる |