浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J17_0261A01: | もせす弘行のつねのならひ先德の故實なり是を異域 |
J17_0261A02: | にとふらへは月氏にはすなはち護法淸辨の空有諍論 |
J17_0261A03: | 震旦にはまた慈恩妙樂の權實の立破なりこれを我國 |
J17_0261A04: | に尋るに弘仁の聖代戒律大小のあらそひ有り天曆の |
J17_0261A05: | 御宇には諸宗淺深の談あり八家きをいて定凖をなし |
J17_0261A06: | 三國つたえて軌範とすしかれともあらかしめ末世の |
J17_0261A07: | 邪亂をかかみて諸宗の討論をととめられしよりこの |
J17_0261A08: | かた宗論なかくあとをけつり佛法それかために安全 |
J17_0261A09: | たり就中淨土の一宗にをきては古來の行者ひとへに |
J17_0261A10: | 無染無着の淨心をおこし專修專念の一行にまかせて |
J17_0261A11: | 他宗に對して執論をこのます餘敎に比して是非を判 |
J17_0261A12: | せすひとり出離をねかひて必往生の直道をとけむと |
J17_0261A13: | なりたた弘敎嘆法のならひいささか又その心なきに |
J17_0261A14: | あらさるか源心僧都の往生要集の中に三重の問答を |
J17_0261A15: | いたして十念の勝業を讃す念佛の至要此釋に結成せ |
J17_0261A16: | り禪林の永觀智德惠心に及すといへとも行淨業をつ |
J17_0261A17: | けりえらふところの十因にその心また一致なり普賢 |
J17_0261B18: | 觀音の悲願をかむかへ勝知敎信先蹤を引て念佛の餘 |
J17_0261B19: | 行にすくれたる事を證せり彼時に諸宗のともから惠 |
J17_0261B20: | 學はやしをなし禪定水をたたふしかりといへとも惠 |
J17_0261B21: | 心をも破せす永觀をも罸せす諸敎も滅する事なく念 |
J17_0261B22: | 佛もさまたけなし是則世すなをに人うるはしき故也 |
J17_0261B23: | しかるを今世澆季にをよひ時鬪諍に屬して能破所破 |
J17_0261B24: | ともに邪執よりをこり正論非論みな喧嘩にをよふ三 |
J17_0261B25: | 毒内にもよをし四魔外にあらはるるかいたす所なり |
J17_0261B26: | また或人のいはく念佛もし弘通せられは諸宗たちま |
J17_0261B27: | ちに滅盡すへし爰をもちて遏妨すと云云この事しか |
J17_0261B28: | るへからず過分の逆類にをきては實によりて禁斷せ |
J17_0261B29: | らるへしまたく淨土宗のいたむところにあらず末學 |
J17_0261B30: | の邪執にいたりては上人嚴禁をくわへ門徒すてに服 |
J17_0261B31: | 膺すかれといひこれといひなむそ佛法の破滅に及は |
J17_0261B32: | むや凡顯密の修學は名利によりて破滅すこれ人間の |
J17_0261B33: | さたまれる法なり淨土の敎法におきては名にあらす |
J17_0261B34: | 利にあらす後世を思人のほかにたれか習學せんや念 |