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J2420 法然上人伝絵詞 琳阿 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0260A01: の起請文消息等山門に披露してより動靜いかむ尤不
J17_0260A02: 審に候抑風聞のこときは上人淺深三重の過によりて炳
J17_0260A03: 誡一决僉議に及と云云一には念佛を勸進する惣して
J17_0260A04: しかるへからす是すなはち眞言止觀にあらす口稱念
J17_0260A05: 佛の權説もてさらに往生をとくへからさるか故にと
J17_0260A06: 云云此條におきては定て滿山の談評にあらすもしこ
J17_0260A07: れ一兩の邪説歟他の謗法をとかめむためにみつから
J17_0260A08: かへりて謗法をいたす勿論といひつへし二には念佛
J17_0260A09: の行者諸行を毀破するあまり經論を焚燒し章疏をな
J17_0260A10: かしうしなう或は又餘善をもちては九品の因とすと
J17_0260A11: 云云これをきかむ緇素たれか驚歎せざらむや諸宗の
J17_0260A12: 學徒專欝陶するにたれるかたたしこの條にをきては
J17_0260A13: 殆信をとりかたしすてにこれ會昌天子守屋の大臣等
J17_0260A14: の類歟如是の諸過はまことならすと云云たしかなる
J17_0260A15: 説について眞僞を决せられむにあへてそのかくれあ
J17_0260A16: るへからす事もし實ならは科斷またかたしとせすひ
J17_0260A17: とへに浮説をもちてとかを上人にかくる條理盡の沙
J17_0260B18: 汰にあらさるか三には如是の逆罪に及はすといふと
J17_0260B19: も一向專修の行人餘行を停止すへきよし勸進の條な
J17_0260B20: をしかるへからす此條におゐては進退相はたるか善
J17_0260B21: 導の意にこのむねをのふるに似たりしかれとも旨趣
J17_0260B22: 甚深也行者おもふへし今上人の弘通はよく疏の意を
J17_0260B23: さくりて謬訛なししかるを門弟等の中に奧儀をしら
J17_0260B24: すみたりかはしく偏執をいたすよし聞へあるか是は
J17_0260B25: なはたもて不可なりとす上人さひきてこれをいたむ
J17_0260B26: 小僧いさめてこれを禁す當時すてに數輩の門徒をあ
J17_0260B27: つめて七ケ條の起請をしるしをのをの連署をとりて
J17_0260B28: なかく證據にそなふ上人もし謗法をこのまは禁遏あ
J17_0260B29: に如是ならんや事ひろく人をほし一時に禁止すへか
J17_0260B30: らず根元すてにたちぬ舊執の𮂺業むしろ繁茂する事
J17_0260B31: をえんや是をもちてこれをいふに三重の子細一つと
J17_0260B32: しても過失なし衆徒欝憤なにによりてか強盛ならむ
J17_0260B33: はやく滿山の停止として來迎の音樂を庶幾すへきか
J17_0260B34: 抑諸宗成立の法各自解をもはらにして餘敎をなむと

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