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J2420 法然上人伝絵詞 琳阿 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0254A01: 卷四
J17_0254A02: 向福寺琳阿彌陀佛
J17_0254A03: 上西門院にて上人七日説戒の時前栽の草むらの中に
J17_0254A04: 大なる蛇有て日日にかくる事なくわたかまり居て頗
J17_0254A05: 聽聞の氣色見へけれは人人目もあやに見けり第七日
J17_0254A06: の結願にあたりてこの蛇からかきの上にのほりてや
J17_0254A07: がて死にけるほとに其頭の中より蝶の樣なる物出と
J17_0254A08: 見る人もあり天人のほると見る人も有昔遠行するひ
J17_0254A09: しりその日くれにけれは野中につかあなありけるに
J17_0254A10: ととまりて夜もすから無量義經をそらに誦するに塚
J17_0254A11: 穴の中に五百の蝙蝠ありけり此經聽聞の功德により
J17_0254A12: てかうむり五百の天人となりて忉利天に生すとこそ
J17_0254A13: 夢に告侍けれ今一の蛇七日説戒の功力にこたへて蛇
J17_0254A14: 道の報をはなれて雲をわけてのほりぬるにやと人人
J17_0254A15: 隨喜をなす彼は上代なるうへに大國なりこれ末代に
J17_0254A16: して小國なり勝事たり凡たた人にあらす
J17_0254A17: 説戒。小蛇解脱の圖
J17_0254B18: 高倉の天皇御受戒その戒の相承南岳大師より傳れる
J17_0254B19: ところいまたたへす世間流布する戒體是なり彼慈覺
J17_0254B20: 大師 淸和天皇に授たてまつられしとき男女の受者
J17_0254B21: 百餘人利を得益をかうふる今上人當帝に十戒を授たて
J17_0254B22: まつらしめ給事陳隋二代の國師天台大師大極殿にし
J17_0254B23: て仁王經を誦し給しに殿上階下稱美讚嘆に殿かまひ
J17_0254B24: すくそ侍し是も月卿雲客より后妃采女に至るまて粉
J17_0254B25: 粉たる禁中に唱唱たるいきさし堂堂たる宮人面面た
J17_0254B26: る信敬もろこしのいにしへにもはちすやまとの中こ
J17_0254B27: ろをしたふ故に九帖の附屬の袈裟福田を我國にひら
J17_0254B28: き十戒の血脈の相承種子を秋津島にまく抑安然和尚
J17_0254B29: の戒品を傳しいまた袈裟の附屬をはうけす相應和尚
J17_0254B30: 念佛をひろめし又いまた戒儀をはとかさりき彼此を
J17_0254B31: 兼たるは今の上人也これによりて戒品をうやまひて
J17_0254B32: 帝珠をみかき彌和尚の位にすすみ給へしそれ榮啓期
J17_0254B33: か三樂をうたひしいまた常樂の門にいたらす皇甫謐
J17_0254B34: か百王をのへしなを法皇の道にくらかりき唯今源空

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