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J2420 法然上人伝絵詞 琳阿 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0253A01: と思ひつるを夢にしめし給へるへしこの上人は機を
J17_0253A02: しり時をしりたる聖にてましける病人の樣ははしめ
J17_0253A03: には柑子橘梨子ていのものを食すれ共はてにはそれ
J17_0253A04: もととまりぬ後にはうきうきをもて廅をうるをす
J17_0253A05: はかりに命をひかへて侍なりこの樣に一向に念佛を
J17_0253A06: 勸られたるこれにたかはす五濁濫漫の世には佛の利
J17_0253A07: 益も次第に减すこの頃はあまりに世くたりて我等は
J17_0253A08: 重病のものの如し三論法相の柑子たちはなもくはれ
J17_0253A09: す眞言止觀の梨子もくはれねは念佛三昧のうきうき
J17_0253A10: にして生死を出へきなりけりとて上人に參て懺悔し
J17_0253A11: 專修念佛門に入給にけり
J17_0253A12: 明遍感夢の圖
J17_0253A13: またある時明遍僧都善光寺參詣のついてに小松殿の
J17_0253A14: 坊に參して上人に問て云末代惡世の罪濁の我等いか
J17_0253A15: にして生死をはなれ侍へきや上人答云彌陀の名號を
J17_0253A16: 稱して淨土に往生をするこれをもて其肝心とするな
J17_0253A17: りと明遍愚案如此信心を決定せむかためにかさねて
J17_0253B18: 此問をいたす也そもそも念佛の時心の散亂するをは
J17_0253B19: 如何し侍へきや上人の給く欲界の散地に生をうけた
J17_0253B20: るものの心あに散亂せさらむや其條は源空も力をよ
J17_0253B21: はす唯心は散亂すれとも口に名號を稱すれは佛の願
J17_0253B22: 力に乘して往生疑なし所詮唯念佛の功をつむへき也
J17_0253B23: 明遍悅て則退出後に上人の給はくあなことことしの御
J17_0253B24: 房や生得の目鼻を取捨るやあると云云
J17_0253B25: 明遍小松谷往問の圖

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