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J2420 法然上人伝絵詞 琳阿 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0251A01: 朝臣來問重源來謁の圖
J17_0251A02: 文治二年の比天台顯眞座主の御許より使者を法然上
J17_0251A03: 人へつかはされて云登山の次に必見參をとけて申承
J17_0251A04: へき事侍り音信せしめ給へと仍坂本にいたるよしし
J17_0251A05: めす座主くたりて對面せしめてとて云今度いかてか
J17_0251A06: 生死を解脱し侍へき答云何樣にも御斗にはすくへか
J17_0251A07: らす又云まことにしか也但先達におはしませはもし思
J17_0251A08: ひ定給へる旨あらはしめし給へその時自身のために
J17_0251A09: は聊思ひ定たるむね侍りたたはやく往生極樂をとけ
J17_0251A10: むと也又云順次往生とけかたきによて此尋をいたす
J17_0251A11: いかかやすく往生をとけむや答云成佛はかたしとい
J17_0251A12: へとも往生はえやすし道綽善導の御心によらは佛の
J17_0251A13: 本願をあふひて強縁とするか故に凡夫淨土に生すと
J17_0251A14: 云云其後さらに言説なくして上人歸給ひて後に座主
J17_0251A15: の御詞に云法然房は智惠深遠なりといへとも聊偏執
J17_0251A16: のとかありと云云又人來て是をかたるわかしらさる
J17_0251A17: こといふには必疑心をおこすなり座主此事を聞てまこ
J17_0251B18: とにしか也と云くわれ顯密の敎におきて稽古をつむ
J17_0251B19: といへとも併名利のためにて淨土をこころさささり
J17_0251B20: けりかるかゆへに道綽善導の釋をうかかはす法然房
J17_0251B21: にあらすは誰人かかくのことき事をいはむ此こと葉を
J17_0251B22: はちて大原に隱居て百日のほと淨土の章疏を見給へ
J17_0251B23: りしかうしてのちにわれすてに淨土の法門をみたて
J17_0251B24: 侍り來臨し給へ談したてまつるへしとて座主かねて
J17_0251B25: 只我一人聽聞すへきにあらす處處の智者請しあつめ
J17_0251B26: んとさためて大原龍禪寺に集會して後法然上人を啒
J17_0251B27: 請するに左右なく來給へり喜悅きはまりなし上人の
J17_0251B28: 御方には東大寺の上人ゐなかれ給へり座主の御かた
J17_0251B29: には光明山の僧都明遍東大寺三論宗の長者なり侍從
J17_0251B30: 已講貞慶笠置の解脱房なり印西上人大原本生房湛歟
J17_0251B31: この人人をはいひくちにさためらる嵯峨の往生院の
J17_0251B32: 念佛房天台宗の人なり大原の來迎院の明定坊蓮慶天
J17_0251B33: 台宗の人也蓮契上人弟子十餘人山門久住の人人には
J17_0251B34: 法印大僧都智海法印權大僧都證眞共に天台の碩學也

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