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J2420 法然上人伝絵詞 琳阿 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0250A01: 上人いよいよはらたちてくつぬきにおりてあしたを
J17_0250A02: とりて又うち給聖人云聖敎をはよくよく御覽候はて
J17_0250A03: とあはれなりしこと也
J17_0250A04: 觀稱優劣論談。叡空枕を もつて打たんとするの圖
J17_0250A05: かくて叡空上人臨終の時讓狀を書て上人聖敎往來等
J17_0250A06: をゆつりてをはり給ぬやや久しく有てよみかへる讓
J17_0250A07: 狀をこひて別紙に進上のことはをくわへてゆつられお
J17_0250A08: はりぬさためて冥途にさた侍けるかと申あはれける
J17_0250A09: 叡空上人臨末讓狀書き與ふるの圖
J17_0250A10: 暗夜に經卷を見給に灯明なけれども室のうちをてら
J17_0250A11: すことひるのことし信空上人おなしくそのひかりを見
J17_0250A12:
J17_0250A13: (此處畵圖を缺く)
J17_0250A14: 治承四年庚子十二月廿八日東大寺炎上の後大勸進のさ
J17_0250A15: たのあひた當世におきては法然房源空かの精撰にあ
J17_0250A16: たれりと人おほくののしる 後白河法皇此事をきこ
J17_0250B17: しめされて勸進たるへき旨先右大辨藤原行隆朝臣を
J17_0250B18: もて内内仰らるるに上人したいして云貧道もとより
J17_0250B19: 山門の交衆をやめて林叢の幽栖をよみする事はしつ
J17_0250B20: かに佛道を修行して順次に生死をはなれむかため也
J17_0250B21: もし大勸進の職にをらは劇務萬端にして自行さため
J17_0250B22: てすすみかたらむか自行すすますは往生とけかたか
J17_0250B23: らんいまにおきてはひとへに淨土の法をのへ自のた
J17_0250B24: めは專稱名の行を修してこの二のほかには他のいと
J17_0250B25: なみなからむと思ふと云云行隆朝臣その志をしりて
J17_0250B26: かの詞を奏す 法皇重て仰せて云若然者器量の仁あ
J17_0250B27: らは奏申されへし上人申給はくしはらく案してすな
J17_0250B28: はち春乘重源上人醍醐におはしけるをよひくたして
J17_0250B29: 云法皇より東大寺の大勸進の器量の仁御尋あり召に
J17_0250B30: かなひてむやいなや重源左右なく領承によりて奏達
J17_0250B31: せらる 法皇きこしめしよろこひて大勸進職に補せ
J17_0250B32: られおはりぬ補して後上人の給はく重源大勸進にた
J17_0250B33: る事一定の權者かなと云云

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