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J2420 法然上人伝絵詞 琳阿 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0249A01: 戒をうく慶雅法橋にあひて華嚴宗の法門の自解義を
J17_0249A02: 述するに慶雅はしめには憍慢して高聲に論談す後に
J17_0249A03: は舌をまきて〓〓をす又大納言の法印寬雅にあひて
J17_0249A04: 三論宗を談し給ふに宗のをきろをさくり師のふかき
J17_0249A05: 心を達するに法印泪をなかし二字してかの宗の血脉
J17_0249A06: にわか名のうへに上人の名を書給時の人ことわさに
J17_0249A07: 云智惠第一の法然房といへりまことなるかなや
J17_0249A08: 法印血脉書籍相承の圖
J17_0249A09: 凡南都北嶺にして諸宗の心をうかかふに天台の一心
J17_0249A10: 三觀の法にいてすみな凡夫たやすく生死を出へき法
J17_0249A11: にはあらすよて本山黑谷に還住して報恩藏に入て一
J17_0249A12: 代五時の諸經はしめ花嚴の法界唯心阿含の四諦縁生
J17_0249A13: 方等の彈呵褒貶般若の染淨虚融法花の唯一佛乘醍醐
J17_0249A14: 捃拾の妙藥惣して自他諸宗の經論章疏眞言止觀のを
J17_0249A15: きろ心を三觀の彌陀にあらはしてこころさしを九品
J17_0249A16: の淨界にすまし給ふことのはしめは 高倉院の御宇安
J17_0249A17: 元元年乙未行年四十三の時凡夫出離の要道のために經
J17_0249B18: 藏に入て一切經五遍披見之時善導觀經の疏四卷披見
J17_0249B19: し給に極樂國土を高妙の報土と定て往生の機分を垢
J17_0249B20: 障の凡夫と判せられたり爰に奇異の思をなして別し
J17_0249B21: て又彼の疏を三遍ひらき見るに第四卷にいたりて一
J17_0249B22: 心專念彌陀名號行住坐臥不問時節久近念念不捨者是
J17_0249B23: 名正定之業順彼佛願故と云へる文に付て年來所修の
J17_0249B24: 餘宗をなけすててひとへに一向專修に歸して毎日七
J17_0249B25: 萬遍の念佛をとなへてあまねく道俗貴賤をすすめ給
J17_0249B26: へり
J17_0249B27: 閲藏。善導來現の圖
J17_0249B28: 阿彌陀佛稱名を本願とたて給へる故をもつてこの故
J17_0249B29: に稱名にすくるる行あるへからすと上人たて給とき
J17_0249B30: 師範叡空上人云觀佛はすくれ稱名はおとれはなりと
J17_0249B31: いふ上人なを念佛すくれたる義をたて給ふ叡空はら
J17_0249B32: たちて拳をにきりて上人のせなかをうちて先師良忍
J17_0249B33: 上人も觀佛はすくれたりとこそ仰られしかとの給上
J17_0249B34: 人云良忍上人もさきにこそむまれ給たれと爰に叡空

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