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J2420 法然上人伝絵詞 琳阿 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0246A01: (童兒入洛殿下邂逅の圖)
J17_0246A02: はしめて登山の時ひさしの得業觀覺か狀云進上大聖
J17_0246A03: 文殊の像一體天養二年乙丑月日觀覺か上西塔北谷持
J17_0246A04: 法房の禪下源光この消息を披閲して文殊の像を相た
J17_0246A05: つぬるところに生十三の少人はかりをさきにたてて
J17_0246A06: のほるよて奇異の思に住して一文をさつくるに十義
J17_0246A07: をさとる次第誠にただ人にあらす
J17_0246A08: 登山。源光對面の圖
J17_0246A09: 源光の云われは是愚鈍の淺智也此奇童の提撕にたら
J17_0246A10: すすへからく業を碩學にうけて圓宗の義をきはむへ
J17_0246A11: しとの給て則功德院の阿闍梨はあはたの關白四代の
J17_0246A12: うち三河權守重兼か嫡男少納言資隆朝臣の長兄隆覺
J17_0246A13: 律師伯父皇覺法橋の弟子一寺の名匠緇徒の龍象なり
J17_0246A14: 闍梨この兒の器量𮂺群にて天下の法燈たるへき事を
J17_0246A15: 悅て殊愛翫す奇童おしへをうけてしるところ日日に
J17_0246A16: おほしつゐに久安三年丁卯中冬に生年十五にして登
J17_0246A17: 壇受戒十六歳の春初て本書をひらきて夜を日につき
J17_0246B18: ももをさしねふりをわすれて十八歳の秋に至るまて
J17_0246B19: 三箇年の籠居ををくりて六十卷の披覽をきはむ惠解
J17_0246B20: 天性にしてをとをと師の授にこへたり闍梨いよいよ
J17_0246B21: 感嘆して云まけて講説をつとめまさに大業をとけて
J17_0246B22: 圓宗の棟梁たるへしと度度念比にすすむれともさら
J17_0246B23: に承諾のこと葉なくして忽に遁世の色有師此こころ
J17_0246B24: さしの深き事を知て云汝しからは黑谷に住して慈眼
J17_0246B25: 坊を師とせよ彼慈眼房叡空眞言と大乘律とにをきて
J17_0246B26: は當時たくひなき明匠なりといひて則あひ具して叡
J17_0246B27: 空上人の室にいたりぬつふさに彼素意をのふ叡空聞
J17_0246B28: て隨喜す
J17_0246B29: 剃髮の圖
J17_0246B30: 件の阿闍梨自身の分際をはからふに輙此たひ生死を
J17_0246B31: いつへからす若度度生をかへは隔生即忘の故に定て
J17_0246B32: 佛法を忘れなむ歟しかし長命の報をうけて慈尊の出
J17_0246B33: 世にあひたてまつらむと思ひて命なかきものをかむ
J17_0246B34: かふるに鬼神よりも虵道はまされりとて虵にならむ

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