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J2420 法然上人伝絵詞 琳阿 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0245A01: かたみとてはかなきおやのととめてし
J17_0245A02: このわかれさへまたいかにせむ
J17_0245A03: 此ことはりを觀覺こそ申さまほしく侍をこまこまと
J17_0245A04: ありありしくおほせこと侍るめれはそれにつけてもか
J17_0245A05: しこくのみ御學問のよしをもをもひより侍けるむか
J17_0245A06: し晋の叡公いとけなくして法花經翻譯の時師匠の人
J17_0245A07: 天接のこと葉かきわつらひ給けるさかしら思合られて
J17_0245A08: あはれにこそ侍れ母うめる子にをしへらると悉達母
J17_0245A09: のために摩耶經をとき給ひけむもさこそとよろつを
J17_0245A10: しのひてちかくはあたか人とならん事をまちとをく
J17_0245A11: は佛にならむまてをこそなき人のためにはつちのあ
J17_0245A12: なをほりても申入侍らめされとも有爲の習しのひか
J17_0245A13: たく浮生のわかれまよひやすし昔釋尊の御わかれに
J17_0245A14: は得道の羅漢深位の菩薩悲歎の色にたへすまして女
J17_0245A15: の身にていかに申のへかたく侍にや
J17_0245A16: 母子訣別。上洛登途圖
J17_0245A17: 夫以天台山は桓武の聖主に傳敎大師ちかひを鷲嶺の
J17_0245B18: 月にをこし法を馬臺の風にひろめ天皇平安城ををし
J17_0245B19: ひらいて百王の社稷を泰し大師延曆寺をたてて一乘
J17_0245B20: の垂迹を專にしき佛法王法互に衞護をいたし一乘萬
J17_0245B21: 乘共に同遍を期す故人いへる事ありまつりことしけ
J17_0245B22: くては神よろこひ芝かれては蘭なく物のあひ感する
J17_0245B23: 事草木もしかなりといへり仍山門には一すちに君と
J17_0245B24: 國とを祈たてまつり皇帝ふた心ましまさす法と人と
J17_0245B25: をはこくみをはします因縁靈山のむかしよりふかく
J17_0245B26: 芳契朝野のいまにあつし爰こやちこ登山のときつく
J17_0245B27: りみちにして月輪殿の御出にまいりあひたてまつり
J17_0245B28: てかたはらにたちより給ひけるを御車よりいかなる
J17_0245B29: おさなきものにかと御尋ありけれは小童のをくりに
J17_0245B30: 侍りける僧美作の國より學問のために比叡山へまか
J17_0245B31: りのほる小童にて侍よし申けれはちかくめしてよく
J17_0245B32: よく學問せらるへし學生になり給はば師匠に賴おほ
J17_0245B33: しめすへきよし念比に御契ありけりまことに御宿縁の
J17_0245B34: ふかき程もいとあはれにこそ

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