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J2420 法然上人伝絵詞 琳阿 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0242A01: なこころをあはす四五歳より後其心成人のことし同
J17_0242A02: 稚の黨に逴躒せり人皆之を嘆歡す又ややもすれはに
J17_0242A03: しのかたにむかふくせあり親疎みてあやしむいま法
J17_0242A04: 然上人と號する是也上人十三にして叡山の雲によち
J17_0242A05: のほりて天台の金花にほひをほとこし二九にして黑
J17_0242A06: 谷の流をくみて佛法の玉泉に心をすますみつから經
J17_0242A07: 藏に入て一切經をひらきみること五遍爰に智證大師將
J17_0242A08: 來の善導の觀經の疏四卷を見給ふに男女貴賤善人惡
J17_0242A09: 人きらはす平生臨終行住座臥をゑらはす心を極樂に
J17_0242A10: かけて口に彌陀を唱もの必往生すといふ釋の心をみ
J17_0242A11: て生年四十三より一向專修に入自行化他ひとへに念
J17_0242A12: 佛をこととす仍南都北嶺碩德みな上人の敎訓にしたか
J17_0242A13: ひ花洛砂塞の緇素あまねく念佛の一行に歸すこの故
J17_0242A14: に世こそりて智惠第一の法然得大勢至の化身とそ申
J17_0242A15: ける上人誕生のはしめより遷化の後に至るまて繪を
J17_0242A16: つくりて九卷とす
J17_0242A17: 産室、色旗二旒飜る圖
J17_0242B18: 諸佛の世を利し給ふ機を鑒て益をほとこし日月の州
J17_0242B19: をてらす時をはかりてひかけをめくらす北州に日赫
J17_0242B20: 〓たれは南州に影ちかつくより須彌の峰なる鷄可見
J17_0242B21: 路かけろとなくはくらきやみやうやくはれてみち見
J17_0242B22: へぬへしと唱なり佛敎も正法千年は印度に盛にして
J17_0242B23: 像法のはしめに漢土につたはり本朝 用明天皇の儲
J17_0242B24: 君御手に舍利をにきりむまれ給ふ佛の御誕生になそ
J17_0242B25: らふへきか其ゆへは舍利現身に説法し神變を示し給
J17_0242B26: ふこと佛の如くなるをもつて我國の正法のはしめとす
J17_0242B27: へしたとへは父は都にして世をはやくし子は他國に
J17_0242B28: まよひてほとをへておとろく亡日は年序をへにけれ
J17_0242B29: 共禁忌聞よりおこり孝養はあらたなれ共中陰はふる
J17_0242B30: きあとなり爰に一切衆生の父十萬里の西にかくれ其
J17_0242B31: 子三ケ國の東にしのひしよりふち衣俄に色をかへた
J17_0242B32: るさま多羅葉のおもてに書給へる遺敎ひろしといへ
J17_0242B33: とも西方淨土の寶樹寶池の水木宮殿樓閣の有樣飯食
J17_0242B34: 經行ゆたか也衣はそめはりぬはねとも春夏秋冬のか

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