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J2420 法然上人伝絵詞 琳阿 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0243A01: さり藥は服しつけねとも心になやみ患なしかかる都
J17_0243A02: へさそはむと金烏雲の上よりかけり銀子の莵野の外
J17_0243A03: にほとはしる此地に襁褓の中より出て竹馬にむちう
J17_0243A04: ちてあそふところ
J17_0243A05: 竹馬戯遊の圖
J17_0243A06: 保延七年辛酉春の比時國の朝臣夜うちのためにうた
J17_0243A07: るその敵は伯耆守源長明か男武者所定明是なり人よ
J17_0243A08: はて明石源内武者といふ是すなはち 堀川院御在位
J17_0243A09: の時のたきくち也殺害の造意は定明たかをかの庄の
J17_0243A10: 執務年月をふるといへとも時國廳官として是を蔑如
J17_0243A11: して面謁せさる遺恨也彼夜討のとき母この少人をは
J17_0243A12: いたきて後薗の竹の中へわけかくるわりはさみのこ
J17_0243A13: やをもちて敵の中へいられたるに敵人明石武者のつ
J17_0243A14: らにしもたちぬ其疵露顯のあひた逐電しぬ人のちに
J17_0243A15: なつけてこやちこといふ
J17_0243A16: 敵人夜討時國遭難、敵人負傷の圖
J17_0243A17: 時國ふかき疵をかうふりて今はかきりに成にけれは
J17_0243B18: 九歳なる子にしめして云我はこのきすてにおはりな
J17_0243B19: んすしかりとはいへとも敵人をうらむることなかれこ
J17_0243B20: れ先世のむくひなりなを報答をおもふならは流轉無
J17_0243B21: 窮にして世世生生にたかひに在在所所にあらそひて
J17_0243B22: 輪廻たゆることは有へからす凡生あるものは死をいた
J17_0243B23: むわれ此疵をいたむ人またいたまさらむやわれ此命
J17_0243B24: をおしむあにおしまさらんや我身にかへて人の思を
J17_0243B25: 知るへきなりむかしはからすしてものの命をころす
J17_0243B26: 人ありけりつきの生にそのむくひをうくといへる願
J17_0243B27: は今生の妄縁をたちて彼宿意を忘ん意趣をやすめす
J17_0243B28: は何のよにか生死のきつなをはなれむ汝もし成人せ
J17_0243B29: は往生極樂を祈て自他平等の利益を思ふへしといひ
J17_0243B30: おはりて心をたたしくして西方にむかひて高聲念佛
J17_0243B31: し眠か如くにしておはりぬ
J17_0243B32: 遺誡臨終の圖
J17_0243B33: 葬送中陰の間念佛報恩をおくりし刻廟塔をたてて鳬
J17_0243B34: 鐘をならし烏瑟妙相をあらはして鷲嶺の眞文を開題

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