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J2410 九巻伝 〓 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0230A01: 山へまかりて。遺骨を頭にかけて上洛し。吉水の上
J17_0230A02: の山に墳墓をつきたり。但馬宮の御夢相に。法然上
J17_0230A03: 人。隆寬律師は互に師弟となりて。ともに利他をた
J17_0230A04: すけたまふ。淨土にして律師は師範。上人は弟子。
J17_0230A05: 娑婆にして上人は師範。律師は弟子なりとぞ御覽ぜ
J17_0230A06: られける。互爲主伴。同大權化現。ゆへあるもの
J17_0230A07: 歟。
J17_0230A08: 於粟生奉荼毗事
J17_0230A09: 上人の御遺骸は。翌年嘉祿三年十二月廿九日改元安貞二年に當り正月廿五日
J17_0230A10: 曉。更に廣隆寺より西山の粟生今光明寺是なりに迎へ奉て。
J17_0230A11: 信空上人。覺阿彌陀佛。此人びとを始として。門弟
J17_0230A12: 等一所に來會して荼毗し奉るに。種種の奇特どもあ
J17_0230A13: り。靈雲空にみち。異香庭にかほる。彌往生の望を
J17_0230A14: なし。ますます欣求の思ふかし。眞影をうつして。
J17_0230A15: 遠忌を修する門門戸戸に。誰の人か三五夜中の光を
J17_0230A16: 惜まざる。禮奠を設て。月忌をいとなむ。在在所所
J17_0230A17: にいづれの族か。六八弘誓の雲をのぞまざらむや。
J17_0230B18: 法然上人傳記卷第九下
J17_0230B19:
J17_0230B20: 嵯峨釋迦堂上人廟塔事 空阿彌陀佛往生事
J17_0230B21: 津戸入道往生事 明惠上人託事
J17_0230B22: 明禪法印往生事 上人德行惣結事
J17_0230B23: 嵯峨釋迦堂上人廟塔事
J17_0230B24: 上人求法のはじめに。まづ嵯峨の釋迦堂に七日參籠
J17_0230B25: し給ひき。定めて御祈請の旨侍けん。釋迦彌陀契ふ
J17_0230B26: かく。此土他土縁淺からずして。遂に遺骨を此靈
J17_0230B27: 地小藏山の麓に收む。初從此佛菩薩結縁。還於此
J17_0230B28: 佛菩薩成就といへり。眞なる哉此こと。又上人の在
J17_0230B29: 世念佛化導の比。或人當伽藍に參て後生を祈請しけ
J17_0230B30: るに。釋迦如來夢に告て曰。當時法然房源空といふ
J17_0230B31: ものあり。往生の道をきりあけたり。此頃の人は皆
J17_0230B32: 其道より往生する也と云云。奇特の佛の告。傳へき
J17_0230B33: く人いよいよ信心をましけり。抑栖霞觀は。嵯峨天
J17_0230B34: 皇の別業。即阿彌陀堂を建立して。栖霞寺と名付。

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