浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J17_0226A01: | ろともに九品蓮臺の同行となり。怨親同じく七重樹 |
J17_0226A02: | 下の新賓たらん。善惡不二のことはり。邪正一如の |
J17_0226A03: | おきては。山門の使者ならば定めて聞知らん。顯に |
J17_0226A04: | は東關の御家人。弓箭をたづさへて狼藉をふせぐ。 |
J17_0226A05: | 冥には西刹の念佛者。魔軍をしりぞけて凶徒をしづ |
J17_0226A06: | めんと云て。父子ともに馬の鼻をならべ。法に任せ |
J17_0226A07: | よと下知しければ。山門の使者くもの子をちらすが |
J17_0226A08: | ごとし。或はぼんのくぼに足をつけて命をたすから |
J17_0226A09: | んとするものもあり。或はひたひの間に。手をあは |
J17_0226A10: | せて降をこはんとするものもあり。如此するほど |
J17_0226A11: | に。其日はくれにけり。 |
J17_0226A12: | 改葬事 |
J17_0226A13: | 堂舍を破損すといへども。かやうに追散されける |
J17_0226A14: | が。墳墓には手かけず。かくて今夜信空上人。妙香 |
J17_0226A15: | 院僧正月輪禪定殿下御息に參りて。今度しばらく相しづまると |
J17_0226A16: | いふとも。大谷は山門領也。山僧のいきどほり遂に |
J17_0226A17: | むなしからじ。信空改葬せんと存ずるよしを申けれ |
J17_0226B18: | ば。此義尤よろしかるべしと仰られける間。やがて |
J17_0226B19: | 今宵人しづまりて後。改葬し奉る。むかし月氏に敎 |
J17_0226B20: | 主釋尊の尊容をぬすみ奉し時。專ら警固をいたし |
J17_0226B21: | き。いま日域に本師上人の遺骸をうつさんとする。 |
J17_0226B22: | むしろ災難なからんやとて。宇都宮入道蓮生守護の |
J17_0226B23: | 爲に。遁世の身なりといへども。出にし家の子息郞 |
J17_0226B24: | 徒をまねきて。數多の兵士をもて宿直し奉る。此外 |
J17_0226B25: | 頓宮の兵衞入道西佛。千葉の六郞大夫入道法阿。澁 |
J17_0226B26: | 谷の七郞入道道阿。鹽谷の入道信成等。兵杖を帶し |
J17_0226B27: | 軍兵を率して供奉し奉る。宇都宮入道申けるは。五 |
J17_0226B28: | 材四儀はもと百勝の術也。しかれば古は偏に名聞利 |
J17_0226B29: | 養の爲にしてなを四儀をえず。今は速に往生極樂の |
J17_0226B30: | 爲にして忽に一心をさとれり。家をわすれ。親をわ |
J17_0226B31: | すれ。生をわすれ。身をわするる事。吳起が詞今日 |
J17_0226B32: | 既に知れたり。倩倩往事をおもへば。祖父金吾朝 |
J17_0226B33: | 綱の朝臣は。東大寺の脇士觀世音菩薩を造立し奉 |
J17_0226B34: | て。かたみを南都にとどめ。孫子沙彌賴繩法師は西 |