浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J17_0223A01: | 盡。臨終先來迎。源空本地身。大勢至菩薩。衆 |
J17_0223A02: | 生爲化故。來此界度度。 |
J17_0223A03: | 同閏六月廿日。僧正七十二。種じゅの瑞相を示して。 |
J17_0223A04: | 禪林寺の砌にして。往生を遂られし日。仙洞后宮よ |
J17_0223A05: | り初奉て。槐門棘路に至るまで。紫雲瑞相に驚て。 |
J17_0223A06: | 使節ちまたにみち。車馬ちりにはす。洛中洛外の道 |
J17_0223A07: | 俗。村南村北の貴賤。結縁のあゆみをはこび。隨喜 |
J17_0223A08: | の心をもよほさずといふ事なし。顯密の碩德。天下 |
J17_0223A09: | の明匠にておはしつる僧正さへ。せめても宿善のい |
J17_0223A10: | みじくて。上人に歸し念佛を信じて。往生の素懷を |
J17_0223A11: | 遂られぬる事。ありがたき事也とて時の人皆申け |
J17_0223A12: | る。 |
J17_0223A13: | 靜遍僧都往生事 |
J17_0223A14: | 禪林寺僧都靜遍は。大納言賴盛卿の息。弘法大師の |
J17_0223A15: | 門人として。醍醐の座主勝賢僧正にしたがひて。小 |
J17_0223A16: | 野流をうけ。仁和寺の上乘院の仁隆法印を師とし |
J17_0223A17: | て。廣澤の流を傳て。兩流を一器にうつせる深奧の |
J17_0223B18: | 眞言師なりき。然を世擧て上人所造の選擇集を依用 |
J17_0223B19: | し。念佛に歸する人耳目にあまる。嫉妬の心を發て。 |
J17_0223B20: | 選擇を破して念佛往生の道をふさがんとたくみ。破 |
J17_0223B21: | 文をかくべき料紙まで用意して。是を披見し給ほど |
J17_0223B22: | に。日比の所案にははたと相違して。末代惡世の凡 |
J17_0223B23: | 夫の出離生死の道は。早く念佛にありけりと見定 |
J17_0223B24: | て。則念佛に歸して返て選擇を賞翫するあまりに。 |
J17_0223B25: | 續選擇を作りて。年來嫉妬の心をもて是を破せんと |
J17_0223B26: | たくみし事。大なるとが也と後悔して。選擇集を頂 |
J17_0223B27: | 戴して。大谷の墳墓に參りて。泣なく悔謝をいたす |
J17_0223B28: | 詞にいはく。今日よりは上人を師として念佛を行ず |
J17_0223B29: | べし。聖靈照見を垂れて先非をゆるし給へと。其後 |
J17_0223B30: | 遂に高位の崇班をのがれて心圓房と名を付て。一向 |
J17_0223B31: | 專修の行を立て。偈を結て云。 |
J17_0223B32: | 一期所案極。 永捨世道理。 |
J17_0223B33: | 唯稱阿彌陀。 語嘿常持念。 |
J17_0223B34: | と。世の道理を捨といへるは。世人念佛に付て無盡 |