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J2410 九巻伝 〓 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0219A01: 南無阿彌陀佛南無阿彌陀佛
J17_0219A02: とあそばされけるに。浮世をかろくする御志ふか
J17_0219A03: く。淨刹にそめる思食あさからざりし御事。偏に上
J17_0219A04: 人の恩德也ければ。沒後の追敎に至るまでなをざり
J17_0219A05: ならず。
J17_0219A06: 七七日 兩界曼陀羅阿彌陀如來 御導師三井僧正公胤
J17_0219A07: 法弟子信空願文云
J17_0219A08: 先師廿五歳之昔。十二歳之時。忝結師資之約契。久
J17_0219A09: 積五十之年序。一旦隔生死。九迴膓欲斷。自宿
J17_0219A10: 叡山黑谷之草庵。至移東都白川之禪房。其間云
J17_0219A11: 撫育之恩云提撕之志。報謝之思。昊天罔極。是
J17_0219A12: 以顯彌陀迎接一軀之尊像。安胎藏金剛兩部之種子。
J17_0219A13: 摺―寫妙法華。書―寫金光明經各一部以開題開眼。
J17_0219A14: 一心墾志。三寶知見。
J17_0219A15: 公胤僧正。三卷の書を造て。上人所造の選擇を破す。
J17_0219A16: 是を淨土決疑抄と名付。而に順德院御處胎の時。僧
J17_0219A17: 正は加持の爲に參じ。上人は説戒の爲に召さる。奉
J17_0219B18: 行遲參の間。不慮の外に一所に會合して。淨土の法
J17_0219B19: 門を談じ。又餘宗にわたる。然ば彼僧正ふかく上人
J17_0219B20: に歸して。白川の房にかへりて。即決疑抄を火㷔に
J17_0219B21: なげて。誹謗の語忽に灰爐となりぬ。然れどもなを
J17_0219B22: 前をかなしむ涙おさへがたく後悔をいたす。膓たち
J17_0219B23: やすし。仍彼の談他の過失をもて。念念の誹謗つ
J17_0219B24: もりしかば。其の罪障懺悔の爲に。種種の達嚫を
J17_0219B25: ささげたまひ。あまさへ中陰の唱導を望み。上品の
J17_0219B26: 託生を啓せられけり。凡此間佛事の營み。諷誦を行
J17_0219B27: 人人數を知らず。さて遂に上人の墳墓を大谷の禪
J17_0219B28: 房の東に建立しければ。毎月廿五日はかの御報恩の
J17_0219B29: 爲に。上下羣集しけり。同三月十四日の夜或獨の女
J17_0219B30: 人。夢に上人の廟墳にまいりたれば。其庭に色色
J17_0219B31: の蓮花生ぜり。僧ありてつねの持蓮花のごとくな
J17_0219B32: る。未敷の蓮花一莖をとりてこれをたまふ。即僧の
J17_0219B33: 云。此地に詣でんものは。皆此蓮華一莖を給べし。
J17_0219B34: 是則往生人の類に入べきいわれ也。普く人に是を示

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