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J2410 九巻伝 〓 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0215A01: の手には袈裟の端をとりて。おなじく行。問云。是
J17_0215A02: は誰人のおはするぞと。人答云。往生人也と。又問
J17_0215A03: 云。往生人とは誰ぞと。答いはく。大谷の法然上人
J17_0215A04: 也と。申と見てさめぬ。上人の大谷の禪房の東の崖
J17_0215A05: の上に。一面の平地あり。去る建曆元年十二月に。
J17_0215A06: 彼領を。上人に是を施入す。彼地の北に一の松房有。
J17_0215A07: 其房に寄宿せる尼。先年の頃。夢に此南の地に。天
J17_0215A08: 童行道すと見る。亦其房主去年十一月十五日の夜の
J17_0215A09: 夢に。此南の地に靑蓮華開敷して。金光照耀すと見
J17_0215A10: る。また此房の隣家に。ひとりの女人有。去年十二
J17_0215A11: 月の夢に。此南地に色色の蓮花開敷せり。花各おの
J17_0215A12: 光をさして異香甚香ばしと見る。淸水寺に一人の僧
J17_0215A13: あり。去年十二月九日の夜の夢に。此地に夜叉等羣
J17_0215A14: 集して地をひく。礎の下に地神ありて。此礎を頂戴
J17_0215A15: すと見る。この輩如斯種種の靈夢を感ずといへ
J17_0215A16: ども。あへて披露に及ばず。今年建曆二年二月十日。
J17_0215A17: 彼地に上人の廟墳を點し。穴を堀る時。驚き來て夢
J17_0215B18: を語り。これを記して送る。隆寬律師。上人入滅の
J17_0215B19: 後。初七日に當て。一晝夜の念佛を修する夜のゆめ
J17_0215B20: に。僧來て告て曰。上人は往生傳に入給へるをば知
J17_0215B21: るや否と。律師のいはく誰人のいかなる傳ぞと。彼
J17_0215B22: 僧指をさして。前にある書をさすとみて覺て後。指
J17_0215B23: 所を見れば。善導の觀經の疏也。上人此書に付て。
J17_0215B24: 念佛往生をひろめ給へり。而に今此書を上人の往生
J17_0215B25: 傳とする事。誠に隨喜極りなし。惟方別當入道の女
J17_0215B26: の禪尼。同二月十三日の夜の夢に云。上人の御葬送
J17_0215B27: は淸水寺の塔の中に入給ぬと見て後。一兩日を經
J17_0215B28: て。また夢に隣房の人のいはく。御葬送に逢ざる遺
J17_0215B29: 恨のよし申に。御葬送の所へまいり給へ。同事也と
J17_0215B30: 云あいだ。彼所へ參りたれば。八幡宮の御戸ひらく
J17_0215B31: と覺る所に。御正體其内におはします間。是は上人
J17_0215B32: の御葬送にはあらず。八幡宮の御體なりと申に。隣
J17_0215B33: 人御正體をさして。是こそ上人よと云。是を聞て身
J17_0215B34: の毛いよだちて。汗をながして夢覺ぬといふ。神功

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