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J2410 九巻伝 〓 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0207A01: 夫八萬の法藏は八萬の衆類をみちびき。一實眞如は
J17_0207A02: 一向專稱をあらはす。彼大聖世尊自説して南無佛と
J17_0207A03: 唱へ給へる。その名をあらわさずといへども。心は
J17_0207A04: 彌陀の名號也。又上宮太子の誕生して南無佛と唱へ
J17_0207A05: 給へる。其體を萠すといへども。志は極樂の敎主也。
J17_0207A06: 然るに慈覺大師の念佛傳燈は。經の文を引て寶池の
J17_0207A07: 波に和すれども。劣機行ずるにあたはず。諸師所立
J17_0207A08: の念佛三昧は。佛境を縁として心の塵をはらへども。
J17_0207A09: 下根の勤にあたはす。惠心僧都の要集には。二道を
J17_0207A10: 造て一心のものはまよひぬべし。永觀律師の十因に
J17_0207A11: は。十門をひらきて一篇につかず。空也上人の高聲
J17_0207A12: 念佛は。聞名の益をあまねくすれども。名號の德を
J17_0207A13: ばあらはさず。良忍上人融通念佛は。神祇冥道をば
J17_0207A14: 勸給へども。凡夫の望はうとし。爰に我大師法主上
J17_0207A15: 人。行年四十三より念佛門に入て。普く弘給ふに。天
J17_0207A16: 子のいつくしき玉の冠を西にかたぶけ。月卿のかし
J17_0207A17: こき金笏を東に正しくす。皇后のこびたる韋提希夫
J17_0207B18: 人のあとをおひ。傾城のことんなき五百侍女の儀を
J17_0207B19: まなぶ。然る間富るはおごりてあそび。貧はなげきて
J17_0207B20: 友とす。農夫の鋤をふむ。念佛をもて耕すべしとし。
J17_0207B21: 織女が糸をひく。念佛をもて經緯とす。鈴をならす
J17_0207B22: 驛路には。念佛を唱へて鳥をとり。船ばたをたたく
J17_0207B23: 海上には。念佛を唱へて魚をつる。雪月花を見る人
J17_0207B24: は。西樓に目をかけ。琴詩酒を翫ぶ輩は。西の枝の
J17_0207B25: 梨をとる。是皆彌陀をあがめざるをば瑕瑾とし。珠
J17_0207B26: 數をくらざるをば恥辱とす。爰をもつて花族英才と
J17_0207B27: いへども。念佛せざるをばおとしめ。乞丐非人とい
J17_0207B28: へども。念佛するをばもてなす。故に八功德池の波
J17_0207B29: の上には。念佛の蓮池にみち。三尊來迎の窓の内に
J17_0207B30: は。紫臺をさしをくひまなし。然ればわれらが念佛
J17_0207B31: せざるは彼池の荒廢なり。我等が欣求せざるは。其
J17_0207B32: 國の衰弊也。國のにぎはひ。佛のたのしみ。念佛を
J17_0207B33: もて本とし。人のねがひ我のぞみ。念佛をもて先と
J17_0207B34: す。仍當座の愚昧。公請につかへてかへる夜は。念佛

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