浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J17_0208A01: | を唱て枕とし。私廬を出て趣日は極樂を念じて車を |
J17_0208A02: | はす。これ上人の敎誡也。過去の宿善にあらずやと |
J17_0208A03: | て。鼻をかみ聲をむせび。舌をまいて。とどこほる |
J17_0208A04: | 間。法主涙をながし。聽衆袖をしぼりて。ことごとく |
J17_0208A05: | 念佛門に入て。併上人の勸にしたがふ。誠に是宿善 |
J17_0208A06: | の至り。愚なる心。短なる舌にて述べきにあらず。 |
J17_0208A07: | 宇津宮入道參上事 |
J17_0208A08: | 宇津宮三郞入道は。實信房蓮生と。法名をつけ。出 |
J17_0208A09: | 家の形なりといへども。いまだ念佛往生の道を知ら |
J17_0208A10: | ず。熊谷入道のすすめによりて。大番役勤仕の時。 |
J17_0208A11: | 勝尾寺へ參り。上人の見參に入けるに。念佛往生の |
J17_0208A12: | むねを授られて後。上人のたまひけるは。上來雖説 |
J17_0208A13: | 定散兩門之益。望佛本願。意在衆生。一向專稱彌陀 |
J17_0208A14: | 佛名と判じて。一切善惡の凡夫。口稱念佛によりて。 |
J17_0208A15: | 無漏の報土に往生する事。善導和尚彌陀の化身とし |
J17_0208A16: | て。かやうに釋し給へる上は。此度の往生は入道殿 |
J17_0208A17: | の心なるべしと被仰ければ。ふかく本願に歸して。 |
J17_0208B18: | 上人御往生の後。御門弟の中には。誰人にか不審の |
J17_0208B19: | 義をも尋申べく候らんと申けるに。善惠房といへる |
J17_0208B20: | 僧に相尋べしと仰られければ。やがて見參に入候ば |
J17_0208B21: | やと申けるに。淨土宗の學者も餘學を知ざるは。い |
J17_0208B22: | ふかひなき事なれば。太子の御墓に願蓮房といへる |
J17_0208B23: | 天台宗の人に。學問せよとて遣したる也と仰られけ |
J17_0208B24: | れば。幸に天王寺參詣の志しも候へば。御文を給は |
J17_0208B25: | り候はんとて。上人の御文をたまはりて。太子の御 |
J17_0208B26: | 墓へまゐり。善惠上人の見參に入て。上人御往生の |
J17_0208B27: | 後も。二なくたのみ申けり。西山吉峯といふ所に。 |
J17_0208B28: | 庵室をむすびて。他事なく念佛しけるに正元元年十 |
J17_0208B29: | 一月十二日。臨終の用心たがふ事なく。念佛相續し |
J17_0208B30: | て。種種の靈異を施し。耳目をおどろかすほどの往 |
J17_0208B31: | 生をぞとげき。 |
J17_0208B32: | 上人入洛事 |
J17_0208B33: | 勝尾寺の隱居の後。烏頭變毛の宣下をかうぶり。はや |
J17_0208B34: | く花洛に還歸有べきよし。建曆元年十一月十七日。 |