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J2410 九巻伝 〓 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0204A01: 鐵城を遁て終焉の金臺にのぼれ。胡國ほど遠し。思
J17_0204A02: を雁札に通ず。北陸境遙なり。心を像敎にひらけ。
J17_0204A03: 山川雲重て。面を千萬里の月にへだつとも。化導縁
J17_0204A04: あつく。ひざを一佛土の風にちかづけん。誑惑の輩
J17_0204A05: いまだ半卷の書をよまず。一句の法をうけず。むな
J17_0204A06: しく弟子と號する甚其謂なし。己が身に智德かけ
J17_0204A07: て。人をして信用せしめんが爲に。恣に外道の法を
J17_0204A08: 説て師匠の敎として。或は自稱して弘願門と名付。
J17_0204A09: 或は心に任て謀書を造て念佛要文集と號す。此書の
J17_0204A10: 中に初て僞經を作て。新に證據にそなふ。念佛祕密經
J17_0204A11: 是也。華嚴等の大乘の中に。本經になき所の文を作
J17_0204A12: て云。諸善を作べからず。只專修一念を勤むべしと。
J17_0204A13: 彼書いま花夷に流布す。智者見ると云とも是あざけ
J17_0204A14: るなるべし。愚人是を信受する事なかれ。如此の謀
J17_0204A15: 書前代にもいまだきかず。猶如來におひて妄語を寄
J17_0204A16: す。況や凡夫におひて虚言を與へんをや。此猛惡の
J17_0204A17: 性。一をもて萬を察すべき者也。是癡闇の輩也。いま
J17_0204B18: だ邪見とするに及ばず。誑惑の類也。名利の爲に他
J17_0204B19: をあやまつ。抑貧道山學の昔より。五十年の間廣く
J17_0204B20: 諸宗の章疏を披閲して。叡岳になき所をば是を他門
J17_0204B21: にたづねてかならず一見を遂ぐ。讚仰年積て聖敎殆
J17_0204B22: 盡す。加之。或は一夏の間四修を修し。或は九旬の
J17_0204B23: 中に六時懺法を行じ。年來長齋して顯密の諸行を修
J17_0204B24: 練しき。身既に病老してのち念佛をつとむ。今稱名
J17_0204B25: の一門につゐて易往の淨土を期すといへども。なを
J17_0204B26: 他宗の敎文におひて悉く敬重をなす。況や。もとよ
J17_0204B27: り貴ぶ所の眞言止觀をや。本山黑谷の法藏に傳持
J17_0204B28: し。闕する所の聖敎をば書寫してこれを補す。然を
J17_0204B29: 新發意の侶。愚闇後來の客いまだその往昔を見ず。
J17_0204B30: 此深奧をしらず。僅に念佛の行義を聞て。猥しく偏
J17_0204B31: 愚の邪執をなす。嗚呼哀哉。傷べし悲べし。有智の
J17_0204B32: 人是を見て旨を達せよ。其趣粗先年の比記す所の七
J17_0204B33: 箇條の敎誡の文に載たり。子細端多し。毛擧不能而
J17_0204B34: 已。承元三年六月十九日沙門源空云云。安養欣求の行

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