浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
巻_頁段行 | 本文 |
---|---|
J17_0199A01: | にちかづきて其意をとらかす。念念に思ふ所皆是 |
J17_0199A02: | 妄念也。寄り寄りに營む所。罪業にあらずと云事な |
J17_0199A03: | し。悲かな渡世の道まちまち成に。いかなる宿習にて |
J17_0199A04: | か。此わざをなせる。耻哉。世路の計事品品なる |
J17_0199A05: | に。いかなる前業にてか此業を積や。今生にはかか |
J17_0199A06: | る罪業に深重の身なりとも。生をあらため得脱す |
J17_0199A07: | る道あらばたすけ給へと。なくなく申ければ。上人 |
J17_0199A08: | 哀感して曰。述所。誠に罪障かろからず。酬報又は |
J17_0199A09: | かりがたし。過去の宿業によつて。今生の惡身をえ |
J17_0199A10: | たり。現在の惡因にこたへて。當來の惡果を感ぜん |
J17_0199A11: | 事疑なし。若此わざの外に渡世の計略あらば。速に |
J17_0199A12: | 此惡縁を離べし。たとひよの計略なしといふとも。 |
J17_0199A13: | 身命を顧みざる志あらば。又此業を捨べし。若又餘 |
J17_0199A14: | の計略もなし。身命を捨る志もなくば。ただその身 |
J17_0199A15: | ながら。專念佛すべき也。彌陀如來汝がごときの罪 |
J17_0199A16: | 人の爲に。弘誓をたて給へる其中に。女人往生の願 |
J17_0199A17: | あり。然則女人はこれ本願の正機也。念佛は是往生 |
J17_0199B18: | の正業也。ふかく信心を發すべし。敢て卑下する事 |
J17_0199B19: | なかれ。罪の輕重をいはず。本願を仰で念佛すれば。 |
J17_0199B20: | いかなる柴の扉。苔の莚なれども。所をきらはず臨 |
J17_0199B21: | 終の夕には。彌陀如來無量の聖衆と共に來りて引攝 |
J17_0199B22: | し給が故に。往生うたがひなきよし仰られければ。 |
J17_0199B23: | 遊女歡喜の涙を流し。渴仰の掌を合てかへりける。 |
J17_0199B24: | 後に發心眞實也。信心堅固也。一定の往生かなとお |
J17_0199B25: | ほせられける。上人歸路の時これをたづねられけれ |
J17_0199B26: | ば。村人等申云。上人御下向の後。則出家して近き |
J17_0199B27: | 山里に籠居して。他事なく念佛し侍りしが。いくほ |
J17_0199B28: | どを經ずして。臨終正念。高聲念佛して往生し侍る |
J17_0199B29: | よし申ければ。しつらうしつらうとぞ仰られける。 |
J17_0199B30: | 鹽飽地頭饗應事 |
J17_0199B31: | 三月廿六日。讚岐國鹽飽の地頭駿河守高階保遠入道 |
J17_0199B32: | 西忍が館に寄宿し給けり。西忍去夜のゆめに。滿月 |
J17_0199B33: | 輪光明赫奕としてたもとにやどるとみて。不思議の |
J17_0199B34: | おもひをなす所に。いま上人入御の間。去夜の靈夢 |