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J2410 九巻伝 〓 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0190A01: 雜行と名付。布施。持戒。忍辱。精進等の六度萬行
J17_0190A02: も。法華經をもよみ。眞言をも行ひ。かくのごとくの
J17_0190A03: 諸の行をば。皆悉雜行と名付。先の正行を修するをば
J17_0190A04: 專修の行者といふ。後の雜行を修するをば。雜行の行
J17_0190A05: 者と申て候也。此二行の得失を判ずるに。先の正行を
J17_0190A06: 修するには。心常に彼國に親近して憶念ひまなし。
J17_0190A07: 後の雜行を行ずるには。心常に間斷す。回向して生
J17_0190A08: る事を得べしといへども。すべて疎雜の行と名付と
J17_0190A09: いひて。極樂にうとき行といへり。又專修の者は十
J17_0190A10: 人は十人ながら生れ。百人は百人ながら生る。何を
J17_0190A11: もての故に。外の雜縁なくして。正念を得るがゆへ
J17_0190A12: に。彌陀の本願とあひ叶ゆへに。釋迦の敎に順ずる
J17_0190A13: がゆへに。雜行の者。百人が中に一二人生れ。千人
J17_0190A14: が中に四五人生る。何をもての故に雜縁亂動して正
J17_0190A15: 念を失がゆへに。彌陀の本願と相應せざるがゆへ
J17_0190A16: に。釋迦の敎に順がはざるがゆへに。係念相續せざ
J17_0190A17: るがゆへに。憶念間斷するがゆへに。自も往生の業
J17_0190B18: をさへ他の往生をもさふるがゆへになんと釋せられ
J17_0190B19: て候めれば。善導和尚をふかく信じて。淨土宗に入
J17_0190B20: らん人は。一向に正行を修すべしと申事にてこそ候
J17_0190B21: へ。其上は善導の敎をそむき餘行を加へんとおもは
J17_0190B22: ん人は。をのをの習たるやうこそ候らめ。それをよ
J17_0190B23: しあしとはいかが申候べき。善導のすすめ給へる行
J17_0190B24: どもをきながら。つとめ給はぬ行を少にてもくはふ
J17_0190B25: べき樣なしと申事にてこそ候へ。勸め給へる正行ば
J17_0190B26: かりだにもなをものうき身にて。いまだすすめ給は
J17_0190B27: ぬ雜行をくはへん事は。まことしからぬ方も候ぞか
J17_0190B28: し。又罪を造る人だにも念佛申て往生す。まして善
J17_0190B29: なれば法華經などをよまぬは。何かくるしからんな
J17_0190B30: ど申候はんこそ。無下にはしたなく覺候へ。往生を
J17_0190B31: 助はこそ。いみじくも候はめ。妨にならぬ計をいみ
J17_0190B32: じき事とて。加へ行はん事は。何か詮にて候べきな
J17_0190B33: れば。惡をば佛の御心に造とやすすめ給ふ。構てと
J17_0190B34: めよとこそ誡め給へども。凡夫のならひ當時のまど

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