浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J17_0189A01: | を信ぜむ人は。兼て臨終をうたがふ心有べからずと |
J17_0189A02: | こそ覺へ候へ。只當時申さん念佛を。彌に心をいた |
J17_0189A03: | して申べきにて候。いつかは佛の本願にも臨終の時 |
J17_0189A04: | 念佛申たらん人をのみ迎へんとはたて給ひて候。臨 |
J17_0189A05: | 終の念佛計にて往生すと申事。日來往生をもねがは |
J17_0189A06: | ず。念佛をも申さずして。偏に罪をのみ作たる惡人 |
J17_0189A07: | の。すでに死なんとする時。初て善知識の勸にあひ |
J17_0189A08: | て念佛にて往生すとこそ。觀經にも説れて候へ。も |
J17_0189A09: | とよりの行者の沙汰をば。強にすべき樣は候はぬ |
J17_0189A10: | 也。佛の來迎一定ならば。臨終の正念も又一定と思 |
J17_0189A11: | 召べき也。此大意をもて能能御心をとどめて心得 |
J17_0189A12: | させ給べく候。又罪をつくりたる人だにも往生す。 |
J17_0189A13: | まして經典うちよみて念佛申さんは。何かくるしか |
J17_0189A14: | るべきと人人申候らん事は。京邊にもさやうに申人 |
J17_0189A15: | 人おほく候へば。實にさぞ候はん。されば諸宗の心 |
J17_0189A16: | にてこそ候らめ。よしあしを定め申べきに候はず。 |
J17_0189A17: | ひが事と申さば恐れある方おほく候。但淨土宗の |
J17_0189B18: | 心。善導の釋には往生の行に付て。大きに分て二と |
J17_0189B19: | す。一には正行。二には雜行也。初に正行と云は。 |
J17_0189B20: | 是にあまたの行あり。初に讀誦正行と云は。無量壽 |
J17_0189B21: | 經・觀經・阿彌陀經等の三部經を讀誦する也。次に |
J17_0189B22: | 觀察正行と云は。彼國の依正二報のありさまを觀ず |
J17_0189B23: | る也。次に禮拜正行と云は。阿彌陀佛を禮拜する也。 |
J17_0189B24: | 次に稱名正行と云は。南無阿彌陀佛と唱る也。次に |
J17_0189B25: | 讚歎供養正行と云は。阿彌陀佛を讚嘆し奉る也。是 |
J17_0189B26: | を五種の正行と名付。讚嘆と供養とを二種の行とす |
J17_0189B27: | る時は。六種の正行とも申也。此正行に付てふさね |
J17_0189B28: | て二とす。一には一心に專阿彌陀佛の名號を唱へ奉 |
J17_0189B29: | りて。立居起臥晝夜にわするる事なく。念念にすて |
J17_0189B30: | ざるを正定の業と名づく。彼佛の本願に順ずるがゆ |
J17_0189B31: | へと申て。念佛をもて正しく定たる往生の業と立 |
J17_0189B32: | て。若禮誦等によるをば。助業とすと申て。念佛の |
J17_0189B33: | 外の禮拜や。讀誦やなどをば念佛を助る業と申て候 |
J17_0189B34: | 也。此正定業と助業とを除て。其外の諸の業はみな |