浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J17_0187A01: | を説すすめ給ふ。六方恆沙の諸佛は其説の眞實なる |
J17_0187A02: | ことを證誠し給へり。此外いづれの佛の。又これら |
J17_0187A03: | の諸佛にたがひて。凡夫念佛して往生せずとはの給 |
J17_0187A04: | ふべきぞと云ことはりをもて。おほくの佛現じての |
J17_0187A05: | たまふとも。其に驚て。さては念佛往生は叶まじき |
J17_0187A06: | 歟と。信心をやぶりて疑心すべからず。況や菩薩た |
J17_0187A07: | ちのたまはんをや。況や羅漢辟支佛等をやと釋し給 |
J17_0187A08: | て候也。何況。近來の凡夫のいひ妨げんをや。いかに |
J17_0187A09: | 目出度人申とも。善導和尚にまさりて往生の道を知 |
J17_0187A10: | べからず。善導は又彌陀の化身なり。彼佛我本願を |
J17_0187A11: | ひろめて。あまねく一切衆生に知しめて。決定して |
J17_0187A12: | 往生せさせん料に。かりそめに凡夫の人と生れて。 |
J17_0187A13: | 善導和尚といはれ給ふ也。いはば其敎は佛説にてこ |
J17_0187A14: | そ候へ。垂迹の方にても現身に念佛三昧を得て。ま |
J17_0187A15: | のあたり淨土の莊嚴を見。ただちに佛のをしへをう |
J17_0187A16: | け給ひて。の給へる言どもなり。本地を思ふにも。 |
J17_0187A17: | 垂迹を尋るにも。旁以仰で信ずべし。されば誰しも |
J17_0187B18: | 煩惱のこきうすきをかへりみず。罪障のかろきおも |
J17_0187B19: | きをも沙汰せず。只口に南無阿彌陀佛と唱ん聲に付 |
J17_0187B20: | て。決定往生の思ひをなすべし。其決定の心をやが |
J17_0187B21: | て深心とは名付也。所詮。とにもかくにも念佛して |
J17_0187B22: | 往生すと云事を。深く信じて疑はぬを深心とは名付 |
J17_0187B23: | 候也。三に囘向發願心と云は。我所修の行業を。一 |
J17_0187B24: | 向に極樂に囘向して。往生を願ふ心也。如此三心を |
J17_0187B25: | 具してかならず往生すべし。この心一もかけぬれば |
J17_0187B26: | 往生せずと。善導は釋し給へる也。たとひ眞實の心あ |
J17_0187B27: | りて聲をかざらずとも。佛の本願を疑は。すでに深 |
J17_0187B28: | 心かけたる念佛也。たとひ疑心なくとも。外をかざ |
J17_0187B29: | り内にまことの心なくば。至誠心かけたる心なるべ |
J17_0187B30: | し。たとひ此二心を具してかざる心もなく疑心もな |
J17_0187B31: | く共。極樂に生れんと思ふ心なくば。囘向發願心か |
J17_0187B32: | けぬべし。三心を心得わかつ時は如此別別の樣な |
J17_0187B33: | れども。所詮は眞實の心を發て。ふかく本願を信じ |
J17_0187B34: | て。往生をねがふ心を三心具足の心とは申也。まこ |