浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J17_0185A01: | といへり。業報限あればいかなる病をうくとも。其 |
J17_0185A02: | によりて念佛の信をばさますべからずと。末代の衆 |
J17_0185A03: | 生の不審を除かん爲に。わざと此病を受給へる事疑 |
J17_0185A04: | なし。 |
J17_0185A05: | 明遍參小松殿事 |
J17_0185A06: | 高野の明遍僧都。善光寺參詣の次に。小松殿の坊に |
J17_0185A07: | 參じて。上人に申云。末代惡世の罪惡の我等。彌陀 |
J17_0185A08: | の名號を稱して淨土に往生すべしと承候に。念佛の |
J17_0185A09: | 時心の散亂するをばいかがし侍るべきやと。上人 |
J17_0185A10: | 曰。欲界の散地に生をうくる者。心あに散亂せざら |
J17_0185A11: | んや。其條は源空も不及力。但心は散亂すれども |
J17_0185A12: | 口に名號を稱すれば。佛の願力に乘じて往生疑な |
J17_0185A13: | し。詮ずるところ。只念佛の功をつむべき也と。僧 |
J17_0185A14: | 都悅で退出するうしろに。上人の曰。あなことたか |
J17_0185A15: | の御房や。生付の目鼻を取捨申事や侍ると。 |
J17_0185A16: | 大胡消息事 |
J17_0185A17: | 上野國の御家人。大胡太郞實秀在京の時。上人見參 |
J17_0185B18: | に入て。念佛往生の道をうけ給りて後。國より不審 |
J17_0185B19: | を尋申ける時の御返事。詮をとりてこれをのせば。 |
J17_0185B20: | 三心具足して往生すと申事は。誠に其名目計を打聞 |
J17_0185B21: | 時は。いかなる心を申やらんとことごとしく覺候ぬ |
J17_0185B22: | べけれ共。善導の御心にては心得やすく候也。習さ |
J17_0185B23: | たせざらん無智の人や。さとりなからん女人など |
J17_0185B24: | の。ゑ具足せぬほどの心ばへにては候はぬ也。ただ |
J17_0185B25: | まめやかに往生せんと思ひて念佛申さん人は。自然 |
J17_0185B26: | に具足しぬべきにて候也。一には至誠心。二には深 |
J17_0185B27: | 心。三には回向發願心也。此三心を具するものは必 |
J17_0185B28: | ず彼國に生ると説れたり。初に至誠心と云は眞實の |
J17_0185B29: | 心なり。眞實と云は外には賢善精進の相を現じ。内 |
J17_0185B30: | には虚假をいだく事をゑざれと。善導和尚の釋し給 |
J17_0185B31: | へる。此釋の心は内にはをろかにして。外にはかし |
J17_0185B32: | こき人と思はれんとふるまひ。内には惡を造り外に |
J17_0185B33: | は善人のよしを示し。内には懈怠の心を懷きて外に |
J17_0185B34: | は精進の相を現ずるを。眞實ならぬ心とは申也。外 |