浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
巻_頁段行 | 本文 |
---|---|
J17_0180A01: | 及といへども。一向專修の行人。餘行を停止すべき |
J17_0180A02: | 由を勸進の條。なを然べからず云云。此條においては |
J17_0180A03: | 進退相半たり。善導の心此旨を述るに似たり。然て |
J17_0180A04: | 旨趣甚深也。行者思べし。いま上人の弘通はよく疏 |
J17_0180A05: | の意をさぐりて。すべて紕謬なし。しかるを門弟等 |
J17_0180A06: | の中に奧義をしらず。宗旨をさとらざる類。恣に妄 |
J17_0180A07: | 言をはき。猥に偏執をいたすよし聞えある歟。此事 |
J17_0180A08: | 甚もて不可也とす。上人遮て是をいたむに。小僧い |
J17_0180A09: | さめて是を禁ず。當時已に數輩の門徒をあつめて。 |
J17_0180A10: | 七箇條の起請をなし。各連署を集めて永く證據にそ |
J17_0180A11: | なふ。上人もし謗法をこのまば。禁遏豈かくのごと |
J17_0180A12: | きならんや。事ひろく人おほし。一時に禁止すべか |
J17_0180A13: | らず。根元既にたちぬ。我執の枝葉むしろ繁茂する |
J17_0180A14: | 事をゑんや。これをもてこれをいふに。三重の子細 |
J17_0180A15: | 一としても過失なし。衆徒の欝憤何によりてか強盛 |
J17_0180A16: | ならんや。はやく滿山の鼓躁を停止して。來迎の音 |
J17_0180A17: | 樂を庶幾すべきか。抑諸宗成立の法。各自解を專に |
J17_0180B18: | して餘行をなむともせず。弘行のつねのならひ。先 |
J17_0180B19: | 德の故實也。これを異域にとぶらへば。月氏には即 |
J17_0180B20: | 護法。淸辨の空有の論談。震旦には亦慈恩。妙樂の |
J17_0180B21: | 權實の立破也。是を我國に尋るに。弘仁の聖代には。 |
J17_0180B22: | 戒律大小のあらそひあり。天曆の御宇には。諸宗淺 |
J17_0180B23: | 深の談あり。八家きほひて定準をなし。三國つたへ |
J17_0180B24: | て軌範とす。然に末世の邪亂を鑒て。諸宗の對論を |
J17_0180B25: | とどめられしより以來。宗論ながく跡をけづり。弘 |
J17_0180B26: | 法それが爲に安全たり。就中淨土の一宗にをひて |
J17_0180B27: | は。古來の行者偏に無染無著の淨心をこらし。專修 |
J17_0180B28: | 念佛の一行につかへて。他宗に對して執論をこのま |
J17_0180B29: | ず。餘敎に比して是非を判ぜず。獨り出離をねがび |
J17_0180B30: | て。必ず往生の直道を遂んと也。但弘敎嘆法のなら |
J17_0180B31: | ひ。敢て又その心なきにあらざるか。所謂源信僧都 |
J17_0180B32: | の往生要集の中に。三重の問答をいだして念佛の勝 |
J17_0180B33: | 業を談ず。念佛の至要此釋に結成せり。禪林の永觀 |
J17_0180B34: | は。德惠心に及ばずといへども。行淨業を續。撰所 |