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J2410 九巻伝 〓 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0179A01: 隨所力及。廻禁遏之計也。仍錄其趣示門
J17_0179A02: 葉等之狀如件。
J17_0179A03: 元久元年十一月七日 沙門源空
J17_0179A04: 署判之門人七十五人略之。
J17_0179A05: 上人若謗法をこのまば。禁遏豈かくのごときならん
J17_0179A06: や。彼正文すでに月輪殿に進じ置かる。誰か是を疑
J17_0179A07: はん。罪惡生死の迷徒をすくひ。愚癡淺識の羣類を
J17_0179A08: 助けんが爲に。彌陀本願の念佛を弘通せりといへど
J17_0179A09: も。深諸敎を貴び。敢て諸行をいるかせにせず。し
J17_0179A10: かるを專修の詞に付て。當世もなを謗法の名をあぐ
J17_0179A11: る人ままこれあるか。尤不便の次第也。よく上人存
J17_0179A12: 知の旨趣をさぐり。一宗廢立の大綱をあきらめて。
J17_0179A13: 改悔をなし。後信をいたせ。
J17_0179A14: 月輪殿御消息被遣座主事
J17_0179A15: 月輪禪定殿下。座主眞性大僧正へ送らるる自筆の御
J17_0179A16: 消息に云。念佛弘行の間の事。源空上人の起請文等。
J17_0179A17: 山門に披露の後。動靜如何。尤不審に候。抑風聞の
J17_0179B18: 如きは。上人淺深三重の過怠によりて。炳誡の僉議
J17_0179B19: に及と云云。一には念佛を勸進する。惣じて然べから
J17_0179B20: ず。是則眞言止觀の深理に非ず。口稱念佛の權説を
J17_0179B21: もて。更に往生を遂べからず故にと云云。此條におい
J17_0179B22: ては。定て滿山の謳謌にあらず。若これ一兩の言歟。
J17_0179B23: 他の謗法を咎とせんが爲に。自返て謗法をいたす。
J17_0179B24: 勿論と謂べし。二には念佛の行者諸行を毀破するあ
J17_0179B25: まり。經論を焚燒し。章疏をながし失ひ。或は又餘
J17_0179B26: 善をもては。三途の業と稱し。犯戒をもては九品の
J17_0179B27: 因とすと云云。これをきかん緇素たれか驚歎せざら
J17_0179B28: ん。諸宗の學徒專欝陶するにたれり。但この條にお
J17_0179B29: いては。ほとんど信をとり難し。既にこれ會昌天子。
J17_0179B30: 守屋大臣等の類歟。如此の説過半まことならずと
J17_0179B31: 云云。慥なる説に付て眞僞を決せられんに。敢て其隱
J17_0179B32: 不可有事。もし實ならば科斷亦かたしとせず。偏
J17_0179B33: に浮説をもて。咎を上人にかけらるる條。理盡の沙
J17_0179B34: 汰にあらざる歟。三にはかくのごときの逆罪に不

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