浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J17_0175A01: | つるを。毒皷の縁として後生を助かり。又かの甘糟 |
J17_0175A02: | が菩提をも吊ぶらひ奉らんが爲に。六人ともに發心 |
J17_0175A03: | して修行し侍ける由を申ける時。うきも中なかかた |
J17_0175A04: | みなりけりとて。最後に甘糟に近きけるを。なつか |
J17_0175A05: | しき事にしのびて。中陰の間留をきてもろともに孝 |
J17_0175A06: | 養をぞ營ける。戰場にての往生のためし。上人に問 |
J17_0175A07: | 答の次第。瑠璃王の先蹤。如來の敎勅。思ひ合られ |
J17_0175A08: | 侍り。彌陀の本願は人を嫌はず所を選ばず。ただ念 |
J17_0175A09: | 佛すれば往生疑なき事明か也。我も人も深く本願を |
J17_0175A10: | 馮み。稱名を專にすべし。 |
J17_0175A11: | 隆寬律師給選擇事 |
J17_0175A12: | 元久元年甲子三月十四日。權律師隆寬。小松殿へ參向 |
J17_0175A13: | の時。上人後戸に出むかひ給て。懷中より一卷の書 |
J17_0175A14: | をとりいだして。律師に授給ふ。其言に云。これ月 |
J17_0175A15: | 輪殿の仰によりてゑらび進ずる所の選擇集也。所載 |
J17_0175A16: | 要文要義は。善導和尚淨土宗をたて給ふ肝心也。早 |
J17_0175A17: | く之を書寫して披見すべし。若不審あらば尋とふべ |
J17_0175B18: | き也。源空存生の間は祕して他見に及べからず。死 |
J17_0175B19: | 後の流行は何事のあらんやとぞ仰られける。抑かの |
J17_0175B20: | 律師は。苗裔をたづぬれば。粟田の關白五代の後胤。 |
J17_0175B21: | 少納言資隆の三男。稟承を訪へば。楞嚴の先德七代 |
J17_0175B22: | 正統皇圓阿闍梨の附弟也。慈鎭和尚の御門弟とし |
J17_0175B23: | て。天台の法燈をかかげ。攝關數代の後胤を受て。 |
J17_0175B24: | 詩歌の家塵をつぐ。朝家の重寶。叡山の領袖にて。 |
J17_0175B25: | 憍慢の心も高く名利の思もふかくこそおはすべかり |
J17_0175B26: | しに。宿善の催しけるにや。永く穢土をいとひ。偏 |
J17_0175B27: | に淨土を念じて。常に上人に謁し。淨土の法門を尋 |
J17_0175B28: | 申されしに。始はいと打とけ給ざりしかども。往生 |
J17_0175B29: | の志深き由を慇懃に申述給しかば。上人大きに驚 |
J17_0175B30: | て。當時聖道の有識にて。大僧正の御房慈鎭和尚に貴重 |
J17_0175B31: | せられ給ふ御身の。是ほどに思入れ給ひける事。返 |
J17_0175B32: | がえすも忝とて。淨土の法門殘所なく授られき。當世 |
J17_0175B33: | 長樂寺義と號するは彼隆寬律師の流なり。 |
J17_0175B34: | 山門蜂起事 |