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J2410 九巻伝 〓 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0170A01: ちてまいらせ給べし。又專修に付て五種の專修正行
J17_0170A02: と云ふ事あり。此の五種の正行に付て。又正助二行
J17_0170A03: をわかてり。正業といふは五種の中の第四の念佛
J17_0170A04: 也。助業といふは其外の四の行なり。今決定して淨
J17_0170A05: 土に往生せんとおもはば。專雜二修の中には專修の
J17_0170A06: 敎によりて。一向に念佛すべし。正助二業の中には
J17_0170A07: 正業の勸によりて。二心なく只第四の稱名念佛をた
J17_0170A08: のむべしと申候しかば。くわしき旨ふかき心を知候
J17_0170A09: はず。さては念佛の目出たき事もこそ。あんなれと
J17_0170A10: 信じて申候計にて候。件の善導和尚と申人は氏ある
J17_0170A11: 人にても候はず。阿彌陀佛の化身にておはしまし候
J17_0170A12: なれば。敎へ勸給はん事よもひが事にては候はじ
J17_0170A13: と。ふかく信じまいらせて念佛仕候也。其造らせ給
J17_0170A14: て候なる文ども多候なれ共。文字も知候ぬ者にて候
J17_0170A15: へば。ただ心ばかりをきき候て。後生やたすかり候。
J17_0170A16: 往生やし候とて申候ほどに。近者ども見うらやみ候
J17_0170A17: て。少少申ものども候なりと。是ほどに申させ給ふ
J17_0170B18: べし。中中くわしく申させ給はば。あやまちもあり
J17_0170B19: なんとして。あしき事もこそ候へと思ひしは。いかが
J17_0170B20: 心得候べき。樣樣に難答を注して候へども。時にの
J17_0170B21: ぞみてはいかなる詞どもか候はんずらんに。書てま
J17_0170B22: いらせて候はんもあしく候ぬべく候。只よくよく御
J17_0170B23: はからひ候て。いつもよきやうに御はからはせ給
J17_0170B24: はめ。又念佛申すべからずと被仰て候とも。往生に
J17_0170B25: 志あらん人はそれにより候まじ。念佛彌申せと仰ら
J17_0170B26: れ候とも。道心なからんものはそれにより候まじ。
J17_0170B27: とかくにつけていたく思召事候まじ。いかならんに
J17_0170B28: つけても。此度往生しなんと。人をば知らず御身に
J17_0170B29: かぎりては思召べし。わざとはるばると人上させ給
J17_0170B30: ひ候ても下人も不便に候へ。猶猶示し問れ候はん時
J17_0170B31: に。是より百千申て候はん事は。時にもかなひ候ま
J17_0170B32: じければ。無益の事にてぞ候はんずる。はからひて
J17_0170B33: 能やうに早晩に隨て申させ給はんに。よもひが事は
J17_0170B34: 候はじ。まなかなにひろく書てまいらせ候はん事

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