浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J17_0169A01: | れ候はんには。なじか委き事をば申させ給べき。げ |
J17_0169A02: | に人にもいまだくわしく習はせ給はぬ事にて候へ |
J17_0169A03: | ば。專修雜修の間は。くわしき沙汰候はずとも。召 |
J17_0169A04: | 問れ候はば。法門のくわしき事は知候はず。御上京 |
J17_0169A05: | の時。うけ給りわたりて。聖の許へまかり候て。後 |
J17_0169A06: | 世のこといかがしつべき。在家のものなどの後世助 |
J17_0169A07: | り候ぬべき事は。なに事か候はんと問候しかば。聖 |
J17_0169A08: | の申候しやうは。生死を離るる道はやうやうにおほ |
J17_0169A09: | く候へども。其中に此比の人の生死をいづる道は。 |
J17_0169A10: | 極樂に往生するより外には。異道は叶ひがたき也。 |
J17_0169A11: | 是佛の衆生をすすめて生死を出させ給ふ一の道也。 |
J17_0169A12: | 然に極樂に往生する行又さまさまにおほく候へど |
J17_0169A13: | も。其中に念佛して往生するより外には。異行は叶 |
J17_0169A14: | がたき事にてある也。其ゆへは念佛は是彌陀の行一 |
J17_0169A15: | 切衆生のために。自ちかひ給ひたりし本願の行なれ |
J17_0169A16: | ば。往生の業にとりては。念佛にしく事はなし。さ |
J17_0169A17: | れば往生せんと思はば。念佛をこそはせめと申候 |
J17_0169B18: | き。何況や。又在家のものの法門をも知らず。智惠 |
J17_0169B19: | もなからんものは。念佛の外には何事をして往生す |
J17_0169B20: | べしと云事なし。我幼少より法門を習たる物にて有 |
J17_0169B21: | だにも。念佛より外に何事をして往生すべしとも覺 |
J17_0169B22: | ねば。只念佛計をして彌陀の本願をたのみて。往生 |
J17_0169B23: | せんと思ひてある也。まして在家のものなどの何事 |
J17_0169B24: | かあらんと申候しかば。深其よしをたのみ候て。念 |
J17_0169B25: | 佛を仕なりと申させ給ふべし。又是念佛を申事は。 |
J17_0169B26: | ただ我心より彌陀の本願の行なりと悟りて申事にも |
J17_0169B27: | あらず。唐の世に善導和尚と申候し人の。往生の行 |
J17_0169B28: | 業におひては專修雜修と申二の行をわかちて。すす |
J17_0169B29: | め給へる也。專修と云は念佛也。雜修と云ふは念佛 |
J17_0169B30: | の外の行也。專修のものは百人は百人ながら往生 |
J17_0169B31: | し。雜修の者は千人が中にわづかに一二人ある也と |
J17_0169B32: | いへるなり。唐土にまた信中と申もの此旨をしるし |
J17_0169B33: | て。專修淨業文と云文を造りて。唐土の諸人をすす |
J17_0169B34: | めたり。其文は淨勝房などの許に候らん。それをも |