浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J17_0168A01: | 一人籠居て申べし。自力にて衣食不叶して申され |
J17_0168A02: | ずば。他力にて他人に助られて申べし。他人の助に |
J17_0168A03: | て申されずば。自力にて可申。念佛の第一の助業米 |
J17_0168A04: | に過たるはなし。衣食住の三は念佛の助業也。よく |
J17_0168A05: | よくたしなむべし。妻を儲くる事。自身助られて念佛 |
J17_0168A06: | 申さん爲也。念佛の妨になりぬべからんには。ゆめ |
J17_0168A07: | ゆめ持つべからず。從類眷屬も如是。所知所領を儲 |
J17_0168A08: | けん事も。惣じて念佛の助業ならば大切也。妨に成べ |
J17_0168A09: | くばゆめゆめ持べからず。すべて是をいはば。自身安 |
J17_0168A10: | 穩にて。念佛往生をとげんがためには何事もみな念 |
J17_0168A11: | 佛の助業也。三途にかへるべき事をする身をだにも |
J17_0168A12: | 難捨ければ。かへりみはぐくむぞかし。まして往生 |
J17_0168A13: | すべき念佛申さん身をば。いかにもいかにも羽含もてな |
J17_0168A14: | すべき也。かりそめにもいるかせにはすべからず。 |
J17_0168A15: | よくよくいたはるべき也。念佛の助業ならずして。今 |
J17_0168A16: | 生の爲に身を貪求するは。三惡道の業となる。往生極 |
J17_0168A17: | 樂の爲に自身を貪求するは往生の助業となる也とぞ |
J17_0168B18: | 仰られける。禪勝房。種種の不審ども承ひらきて後。 |
J17_0168B19: | 暇申て。明日は下向すべきよし申たりければ。京つと |
J17_0168B20: | せんとて。明句を仰られけるは。聖道門の修行は。智 |
J17_0168B21: | 惠をきはめて生死を離れ。淨土門の修行は。愚痴にか |
J17_0168B22: | へりて極樂に生ると心得べしとぞ。本國にかへりて |
J17_0168B23: | 偏に上人勸化のむねを信じ。二心なく念佛して。行年 |
J17_0168B24: | 八十五歳。正嘉二年十月四日寅の刻。念佛相續して |
J17_0168B25: | 種種の靈異を施し。端坐合掌して往生を遂られき。 |
J17_0168B26: | 津戸三郞被召將軍御所事 |
J17_0168B27: | 征夷將軍鎌倉の右大臣實朝公の御時。元久二年秋の |
J17_0168B28: | 比。津戸三郞爲守。念佛所を建立し一向專修を興行 |
J17_0168B29: | して。餘行をなんどもせざるより將軍家に讒し申族 |
J17_0168B30: | あるに付て。御尋あるべきよし内内其きこえありし |
J17_0168B31: | かば。かかる珍事にこそあひ候はんずれ。被召尋 |
J17_0168B32: | 時。申上べき次第を難答の言を調べて假名眞名にし |
J17_0168B33: | るし給べきよし。飛脚を立て上人に申入けるに付 |
J17_0168B34: | て。十月十八日。上人御返事に云。念佛の事召問は |