浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J17_0167A01: | もたたず。され共習たるかひに。必ず如此知たるは |
J17_0167A02: | 無量の事也とぞ仰られける。又一の疑に云。臨終の |
J17_0167A03: | 一念は百年の業に勝たると申候事は。平生の中に臨 |
J17_0167A04: | 終の一念ほどの念佛は申出すまじきにて候やらん |
J17_0167A05: | と。上人答給はく。具三心者必生彼國と説れたれば。 |
J17_0167A06: | 三心具足の念佛は。百年の業に勝たる臨終の一念と |
J17_0167A07: | 同事也。必文字の有故にとぞ仰られける。又一の疑 |
J17_0167A08: | に云。八宗九宗の外に淨土宗を立る事。自由にまか |
J17_0167A09: | せたる事かなと。餘宗の人の申候をば。いかが申候 |
J17_0167A10: | べきやと。上人曰。宗の名を立ることは佛の説に非 |
J17_0167A11: | ず。自心ざす所の經敎に付て。存じたる義を悟極て。 |
J17_0167A12: | 宗を判ずる事也。諸宗のならひ皆以如是。今淨土の |
J17_0167A13: | 名を立る事は。淨土の正依に付て。往生極樂の義を |
J17_0167A14: | 悟極め給へる先達の宗の名を立給へる也。宗の起を |
J17_0167A15: | 知らざる愚者は。さやうの事を云也。抑淨土一宗の |
J17_0167A16: | 諸宗にこえ。念佛一行の諸行にすぐれたると云こと |
J17_0167A17: | は。萬機を攝する方を立てて云也。理觀。菩提心。讀 |
J17_0167B18: | 誦大乘。眞言。止觀等は。いづれも佛法のおろかに |
J17_0167B19: | ましますにはあらず。皆生死濟度の法なれども。末 |
J17_0167B20: | 代になりぬれば。力不及。行人の不法なるによりて |
J17_0167B21: | 機はおよばぬ也。時をいえば末法萬年の後。人壽十 |
J17_0167B22: | 歳に促り。罪をいへば十惡五逆の罪人也。老少男女 |
J17_0167B23: | の輩。一念十念のたぐひに至るまで。皆是攝取不捨 |
J17_0167B24: | の願にこもれる也。故に諸宗にこえ。諸行にすぐれ |
J17_0167B25: | たりとは申也とぞ仰られける。又問奉て云。後生を |
J17_0167B26: | ば彌陀如來の本願をたのみ奉て候へば。往生疑なく |
J17_0167B27: | 候。現世をばいかやうにおもひ存べく候らんと。上 |
J17_0167B28: | 人答給はく。現世を過べきやうは。念佛の申されん |
J17_0167B29: | 方によりてすぐべし。念佛の妨に成ぬべからん事を |
J17_0167B30: | ば。いとひ捨つべし。一所にて申されずば修行して |
J17_0167B31: | 申べし。修行して申されずば。一所に住して可申。ひ |
J17_0167B32: | じりで申されずば。在家になりて申べし。在家にて申 |
J17_0167B33: | されずば。遁世して可申。ひとり籠居て申されずば。 |
J17_0167B34: | 同行とともに行じて申べし。共に行じて申されずば。 |