浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J17_0166A01: | 無量の寶を失べき人也。念佛にいさみある人は。無 |
J17_0166A02: | 邊の悟を開くべき人也。相構て願往生の心にて念佛 |
J17_0166A03: | を相續すべき也。我力にてはおもひよるまじき罪人 |
J17_0166A04: | の念佛するがゆへに。本願に乘じて極樂へ生るを他 |
J17_0166A05: | 力の願とも超世の願とも云也。案内を知ざる人は機 |
J17_0166A06: | をうたがひて往生せざる也。道心者智者などの念佛 |
J17_0166A07: | こそ往生はしたまふらめ。朝暮罪をのみつくりて一 |
J17_0166A08: | 文をだも知ざらんものは。念佛申とても。往生不定 |
J17_0166A09: | とうたがふものは。本願には善惡の機を兼て發し給 |
J17_0166A10: | へりと知らぬ人也。念佛の機は。ただ生れ付のまま |
J17_0166A11: | にて。申て生るる也。先世の業によりて生れたる身 |
J17_0166A12: | をば。今生の中にはあらためなをさぬ也。女人の男 |
J17_0166A13: | 子とならんと思へども。今生の中には不叶がごと |
J17_0166A14: | し。只生れ付のままにて念佛をば申也。智者は智者 |
J17_0166A15: | にて申て生れ。愚者は愚者にて申て生れ。道心有人 |
J17_0166A16: | も申て生れ。道心なき人も申て生れ。邪見に生れたる |
J17_0166A17: | 人も申て生る。富貴のものも。貧賤のものも。欲ふ |
J17_0166B18: | かきものも。腹あしきものも。慈悲あるものも。慈 |
J17_0166B19: | 悲なきものも。本願の不思議にて念佛だにも申せ |
J17_0166B20: | ば。みな往生する也。たとへば日の出ぬれば。地の |
J17_0166B21: | 高低を不嫌。みな照し。月の明なれば。水の淺深を |
J17_0166B22: | ゑらばず。影を浮が如し。念佛の一願に萬機をおさ |
J17_0166B23: | めて發し給へる本願也。ただこざかしく機の沙汰を |
J17_0166B24: | せずして。念佛だにも申ば。皆悉く往生する也。さ |
J17_0166B25: | ればこそ十方衆生と。手びろく願をば發し給へ。念 |
J17_0166B26: | 佛の人は疾雨の如く極樂には生ると佛は説給へり。 |
J17_0166B27: | もし心をととのへ身を愼て。念佛して生るるなら |
J17_0166B28: | ば。やは疾雨の如くは生るべき。又かかる願なれば |
J17_0166B29: | とて。わざとふてかかりて。わろかれとにはあらず。 |
J17_0166B30: | 本願の手びろく不思議にまします樣を申計なり。念 |
J17_0166B31: | 佛往生の義をかたくふかく申さん人をば。つやつや |
J17_0166B32: | 本願をしらざる人と心得べし。源空が身も。撿挍別 |
J17_0166B33: | 當どもが位にて往生はせんずる。本の法然房にては |
J17_0166B34: | 得も候はじ。年來習たる智惠は。往生の爲には用に |